クワイエット・ボーイ(2015)
- ラーチャえだまめ

- 2021年4月8日
- 読了時間: 6分

【原題】In fondo al bosco
【監督】ステファノ・ロドヴィッチ
【出演】アレッサンドロ・コラービ カミッラ・フィリッピ テオ・アキーレ・カプリオほか
【あらすじ】
4歳のときに行方不明になった少年が、5年後に発見された。だが、凶暴な態度やおかしな素行に、家族や村人たちは彼が悪魔の子だと信じ始めて……。
【感想(ネタバレなし)】

『だが時々喋る』
どーもどーも先日格安SIMに乗り換えてそれまでキャリアメールで登録していたサイトのアドレス変更に追われているけど一向にSIMカードが送られてきませんラーチャえだまめです。早速ではありますが本日はこんな映画を拝見させて頂きました
【クワイエット・ボーイ】…!!!なかなか続編が公開されない某「音を立ててはならない」映画に便乗して量産された「しゃべんジャーズ」シリーズのこれまた亜種でしょうかー?もうすぐそうやって人気タイトルに便乗したがる手法そろそろやめにしませんかー?なんて思いながら借りてしまいました、ク〜リスマスが今年もぉやあってくる〜♫すればサンタクロースお前もか、でおなじみ聖ニコラウスが良い子にプレゼントを渡す存在なら?それと対をなす存在として悪い子には「おしおきだべぇ〜」と罰を与える“クランプス”と呼ばれる伝説の生き物……ハリウッド版「大怪獣総攻撃」を手掛けたマイケル・ドハティ監督によって最近映画化もされたので日本ではそれで知ったという方もいるかもしれません

そのクランプスのコワモテな姿かたちを真似て仮装し毎年12月5日に街を練り歩くお祭りがヨーロッパを中心に毎年クリスマスシーズンに行われているらしい。日本の「悪い子はいねぇ〜がぁ〜」みたいなことですかね??ドイツやオーストリアが主流らしいですがイタリア北部でも行われているようで、今回はそんな祭りだ祭りだぁ〜真っ最中のイタリアの小さな街で起こった摩訶不思議な事件をご紹介したいのですが、これまた

トンデモクライシスに「胸糞悪い」
映画、だったんですね〜。
■子どもの“5年後”なんてもう面影ない説
街に住む幼い少年トンミが祭り当日の夜に突如行方をくらまします。地メディアにも大きく取り上げらたこの怪事件、家族や警察の懸命な捜索も全て空振りに終わり誘拐犯の足取りも掴めなかった警察はお酒が入ると暴力的になるというトンミの実の父親のマヌエルに殺人容疑をかけます。しかし証拠不十分で不起訴となり事件は迷宮入りに、、、、

それから5年後。ある日地元の建設現場でちょろっと成長したトンミを発見……!?いやいや成長期舐めんなよ5年やぞ5年!?んな簡単にトンミだと断t……DNA鑑定の結果アキラを超える100%超えトンミだと判明!?ジュースかよ!!とまぁそんな感じで家族と感動の再開を果たしたかに思えたが??
5年間一体どこで誰と何をしていたというのか?口は聞けるがそればかりは一切話してはくれず?それだけ精神的ショックが大きすぎたということなのか……愛する息子をこの手で再び抱ける喜び、そして息子の帰還で自身の潔白も証明され俄然喜びまくるマヌエルをよそ目に?「5年」という歳月はそれはそれはあまりにも長すぎたからもう愛想でも尽かしたってか!?帰ってきた我が子を見るなり「息子じゃない。」息子の臭いが違う…なんやただの嗅覚障害かなんかじゃねえのかy……トンミの失踪後に鬱気味になった妻のリンダからは早くも疑惑一言をボソリ……そのリンダの父や行きつけの店の店員も「悪魔の子だ」とこれまたイミフな発言を漏らす、ただ一人紛れもない“愛しのマイサン”だと主張するマヌエルと彼らとの間にキレツが……

神隠しにあった子供が中身だけごっそり変わって“別人”になって帰って来た……いやー実に予定調和すぎるアレキサンドラシナリオだとは思いませぬか!?しかも我が家の愛犬はトマソ帰還後気でも狂ったかのようにトンミに吠えまくるし祖父がトンミを無理やり協会にブチ込んだ瞬間ブェェ〜!!と苦しみながら嘔吐する……いい加減カツ丼なんて食ってねえで自供しやがれアーメン!!!!これはいよいよパターン黒!!悪魔です!!?トンミ=悪魔を裏付ける証拠が続々と噴出してあーあ全くまーた既存ホラーの焼き回し映画か……なんて思っていたら

最初から最後まで救いようのない話だった
そうスッテンコロリンするか!?いやーこれはなかなかドイヒー過ぎる映画でしたね〜。あ、いやドイヒーってのは映画のシナリオ……これも全て悪魔のシナリオ通りということか……?意外すぎる展開がなかなか面白い映画かもしれません。
【感想(ネタバレ)】

つまりこーゆーことでしょ?
北野映画なら「全員悪党」どころか「全員ク◯野郎」の称号を贈るかもしれない??ラストで出るわ出るわ痛々しい児童虐待暴行の全記録。店の店員が“誤って”重症を追わせたのを皮切りに抱き枕の容量で寝ぼけて息子を大好きホールドからのラリアッ……で完全に息の根を止めたリンダにそれを発見した祖父は祖父で娘のリンダを溺愛するあまり死体を隠しトンミ殺人を隠蔽した……あーあもうこの家族は救いようがないよおおお!!!…だから皆トンミの帰還を喜んでいなかったんですねぇ。だって“違う子”だって絶対に知っていたから…。その上その別人の子を大好きだったクマのぬいぐるみを失くしたからゲーセンで代わりのぬいぐるみをとってきたよ的なノリで鑑定結果を捏造しリンダに差し出した愛人のポリ公のまたなんとクソッタレなことよ

そんな登場人物「全員に共感出来ない」という事件の被害者ヅラしたただの鬼畜家族を見せられてしまったわけでありますが、唯一事の真相を知らなかった、トンミの死を知ったあとも、目の前にいる赤の他人の子を“愛する”ことを決めたマヌエル……てお前だって祭りの日当日にトンミを突き飛ばしたクセにー!!!……そのトンミへの「償い」とでも勝手に思っているのでしょうか?ラストは一応のハッピーエンド。それにしてもあの少年は一体何者だったのでしょうか……そこら辺の情報が一切ないのでそこはオカルト説でもなんでもござれってかー?工事現場でボロボロの状態でいたということは捨て子だった可能性もありますよね……そう思うと余計に少年が可哀想でなりません。あるいはこの家族が再び子どもを育てられる家族に値するのか悪魔に試されていた、のかも…?
人間、悪魔オカルトのせいにするのは簡単。この映画では犯した“罪”から逃れようとする人間こそが、本当の意味で「悪魔」だということですよね。エンドロールの「2分に一人、子どもが世界で行方不明になっている」というテロップがもう壮大な皮肉というか、子どもの神隠しの真相は悪魔の仕業でもなんでもない親のネグレクトや犯罪に巻き込まれたのが原因なのだ、と訴えかけているような…。オカルトテイストで観客を呼び込み、そして最後にこの問題を観客に直視させる、向き合わせる…という意味では非常に社会派な映画でもあったのかな〜と思いました。




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