グリムカッティ 戦慄のネットミーム(2022)
- ラーチャえだまめ

- 2022年11月17日
- 読了時間: 5分

【原題】Grimcutty
【監督】ジョン・ウィリアム・ロス
【出演】シャニン・ソサモン サラ・ウルフカインド ウスマン・アリーほか
【あらすじ】
郊外に住むティーンエージャーの少女とその弟は、両親のヒステリーによって生み出された恐ろしいインターネット・ミームを止めなければならない。
【感想】

『ひょっこり親子ゲンカの仲裁に入り無事失敗』
どーもどーも昔チェーンメールで自分の顔が出回りましたラーチャえだまめです。チェーンメールとか懐かしい響き……今は“メール”じゃなくてチェーン“LINE”なんでしゅかね…?今宵はそんな今も昔も変わらぬネット上で“バズり”画像やら動画やらを皆が真似してさらなる“拡散”現象を巻き起こす通称“インターネットミーム”を悪用した“恐怖画像”がチンカチンカのソンゲバソナな現実世界に現れてしまうというホラー映画

【グリムカッティ 戦慄のネットミーム】…!!!をお届けしてしまうのですが?“絶叫するビーバー”や“メントスコーラ”……世界中で拡散され話題となったこれもまたネットミーム、と呼ばれるようで?そう言えばアメリカで話題になり映画化もされた地獄からの死者スレンダーマッ!!……間違えました「スレンダーマン」もこれに該当します。で、本作はその亜種みたいな「グリムカッティ」(たぶん映画のオリジナル)と呼ばれる顔面凶器オバケ画像がアメリカのとある街のネット上で拡散され、その写真を見た家庭内で恐ろしい事件が乱発されてしまったという……都市伝説大好きティーン向けホラー!と言った感じかなー、と思っていたらですよ、ソレ以前に

「サブスク映画」として「音」に焦点を当てた数少ない映画
だった…??
厳格な父親から週に1度「スマホ使用禁止デー」を強制された10代の主人公アーシャ。私の家では当時ゲーム禁止とか……いや、あったかなぁ〜、友人がゲームボーイアドバンスSPを真っ二つにされたって話は聞いたことが(え、SPシランへヨ?)「なんでも取り上げればいいってもんじゃない。」そりゃ子どもだってバカじゃありません。脳みそフル回転させて、いかにしてコソコソ裏でやるか。返って悪知恵だけが鍛えられてしまうという……否しかし”今やスマホは右手に次ぐ最高の相棒……かくいう私もスマホがないと生活できる気がしませんです…。アーシャも当然そんなの我慢できねえハイオッパッピーなわけで親の目を盗み友達からスマホやPCを借りる始末。そのころネット上では不気味な画像がメッセージ等で送られてくるイタズラが流行り出して……

子どもたちのネット依存度と悪影響を与えかねないイタズラ画像の拡散に事態を重く見た親はさらに厳しく規制しなくては!!と今度はしばらくの間ネットに繋がるすべての電子機器の使用を禁止!!さらにイタズラに不安を仰ぐ“グリムカッティ”と呼ばれる不気味な画像の“正体”を突き止めようとネットで調べ始める。するとアーシャの目の前に突然“具現化した”グリムカッティが現れ襲いかかってきたではあるまいか…!?
本作はまさにネット社会に潜む闇を描いたホラーであることは言うまでもありませんが、そんな映画はぶっちゃけ他にもありますよね。本作はそこからさらに派生して描いているといいますか、一見家族会議なるものを行い互いに理解し合っていると信じていた家庭でもネットがそれを妨害する。つまり日常生活の中で“外部”の影響を“過剰”に受けてしまう環境に常に我々はさらされていて、それは「子育て」にも悪影響を及ぼている…!!という警告?そして悪影響を受けた親が子どもに「極論すぎる禁止令」を強いることがいかに馬鹿らしいか。そして返って「さらなる悪影響」を与えかねない危険をも孕んでいる……という強いメッセージ性も受け取れるのです。
その“悪影響”の象徴たるがグリムカッティというわけですね。先程本作はティーン向けと言いましたが、ティーンを持つ“親御さん”に向けられた映画でもあるのがちょっと面白いなーと思いました。アーシャの父親は典型的な一昔前を生きる人間で「とりあえず全て禁止すれば解決する」の一点張りなんですね。別にその考え方が間違いだとは思いませんが、今や学校で「一人一台タブレット」を渡すネット全盛期の現代で、ネットそのものを生活から根絶する方法が果たして「健全な」教育なのか?……(いやそんな深い意味はなく自分が勝手に沼にハマってるだけかも)

てかそもそもなんですかこの顔は。ジェームズ・ワンさんのユニバースって言われても違和感ない確かに初見登場時は怖いんだけど、だんだん出現回数が増えてくうちにちっとも怖く見えなくなってくるというか……己の“慣れ”の方が怖いわ!!故にホラーポイントは高くない。ホラーファンならぶっちゃけ拍子抜けする(反対にホラー苦手な人には見やすい)襲ってくるといってもナイフで少し手足を切るレベルで即死レベルの致命傷を負わすわけでもないし。それよりも力の入っているのが「音へのこだわり」という…??
アーシャは自身のブログに「ヒーリング動画」を挙げるのが趣味で、ちょっとどこぞのカルトっぽさはあるもののヘッドホンを擦り付けた時の音とか色々なものを車で潰した時に出る音?自然界でない身近なもので癒しの音を出して精神を整えよう、そこから突然「禅」の話に片足突っ込んじゃったりもするのですが、その時に出る「音」、否これは是非ヘッドホンかイヤホンにして聞いてみて下さいまし。私はいつも自宅で映画を観る際はネックスピーカーを使うのですが、耳のゼロ距離で感じるその「音」の演出が見当違いながら無駄に良い(癒やされるかどうかは別問題)いやこれは多分サブスク配信作であるが故に、通勤通学中にイヤホンつけて鑑賞することを“前提”として作られているからで、こういうサブスク独自の演出というのもまた面白い試みだなーと思いますねッ!!ただその音の演出と「なぜホラーを結び付けなかったのか」例えば耳元から囁く声とかせっかく音にこだわるなら、それをなぜ恐怖演出の一つに使わない?それが最大の謎という……
いやーしかしディズニープラスで海外Huluで配信された作品を拾ってくれるのはありがたいですねー(逆になぜ日本のHuluでは見れない?)




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