サマー・オブ・84(2018)
- ラーチャえだまめ
- 2019年8月8日
- 読了時間: 6分

【原題】Summer of 84
【監督】RKSS(アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセル)
【出演】グラハム・ヴァーチャー ジュダ・ルイス ケイレブ・エメリーほか
【あらすじ】
1984年夏、15歳の少年デイビー(グラハム・バーシャー)は、オレゴン州の小さな町で暮らしていた。その近くで、子供たちばかり狙われる連続殺人事件が起き、デイビーは向かいに住む警察官マッキーが犯人ではないかと疑う。デイビーは親友のイーツ、ウッディ、ファラディと一緒に捜査を始める。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『「ストレンジャー・シングス 夢も希望もねぇ世界」(笑)』
どーもどーも昔好きだった子と「ネバーエンディングストーリー」をデュエットしたかった平成育ちラーチャえだまめです。今日ご紹介致します映画、……その昔ブームとは“40年周期で再び回り回ってくる”……と偉い人が言っていたとかなんとか今まさに「再ブーム」到来中の「THE80」!!音楽、映画、ポップカルチャー!!現在まで様々な影響を与えたもうた「あの頃は…ハァッ!!」な“過去形”80年代文化が??現在進行系の現代で再び評価され、次世代映画音楽などに「THE80」をテーマにした作品が再び世の中を席巻し始めたかと思えば、その時代を生きた人には「懐かしさ」を、今を生きる若者には「COOLさ」を秘めたまさに「新旧世代」で愛されるコンテンツに超進化!!とにかく我々“NOT世代”人間には80年代という時代がもうギラつきまくった時代に映って仕方がないのです!?そんな時代に生まれたかったよ!?あの超最新型映画でさえ近年80年台に“トランスフォーム”させてしまった未だ耐えない人気っぷりが恐ろしい!!その代表格ネトフリが産んだモンスタードラマ「ストレンジャー・シングス」に只今絶賛どハマり中毒者達に朗報なのがコチラ!!【サマー・オブ84】!!
うわぁぁぁ〜!!また84年だってぇぇぇぇグフグフ♡84年つったら〜「ターミネーター」に「グレムリン」「ゴーストバスターズ」に…….「ストレンジャー・シングス」のシーズン3の舞台も84年….…グフフグフフフフ!!!!!本作はまさにその系統を行くスタイルで80年代がもう飽きたなんて言わせない!?相変わらず生まれてもねえのに懐かしさ漂うシンセサイザーのBGMと共に「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」のセリフから始まる「THE80」の世界!!そこには我々の思う“輝かしい”ものが

“必ずしも「待っている」わけではない__。”
という!?まさに「THE80」=“幸せな時代”という“表面上”しか理解していない浮かれ心中の若者達に「お前らに80年台の“本当の恐怖”を味わわせてやる」とココへ来て強烈な右ストレートパンチを横っ腹に思いっきり当てられると言っても過言ではない、そんな映画だったんですね〜!!
“隣に住む警官が実は連続殺人鬼なのではないか”とひょんなことから疑いを持つオカルト大好きなオタクの少年デイビー。彼はいつも行動を共にする太っちょ、イケメン、メガネの4人と協力してその殺人鬼である“証拠”を見つけるため尾行をはじめる。。。。なぜだろう

彼らをもう知ってる”感(笑)
いつになったら線路の上を歩いてくれるのか!?いつになったら自電車で空を飛んでくれるのか!?いつになったらハゲの超能力少女は現れるのか!?ものの見事に“狙っている”としか思えない“凸凹グループのデンプレート”的なキャラクター。その中の一人、新人ジュダ・ルイスはネトフリの「ベビーシッター」でエロすぎるベビーシッターに殺されかけた経験が災いし下ネタ大好きイケメン担当になったのか?w
そしてやることも当然ながらちっちゃい自電車を立ち漕ぎするわ無線でお互いに連絡を取り合うわ秘密基地的な場所でエロ本を読み漁るわもうなんなんだ!?「THE青春アミーゴ(80)」じゃないかッ!!!しかも気になる“年上のエロい女の子”とは仲良くなるし尾行を続けていく内に警官がどんどん“怪しく”見えてきてあ、でもこの夏休みに皆で肝試しするみたいな感じ?ちょっと楽しいかも…?

…なーんて思ったらラストでズドドーン!!!と崖から落とされる感じ!?正直「トラウマ級の戦慄の結末!!」なんてモノスゴイ宣伝されていたのでちょっとオーバーに身構えて観てしまったのですが、まぁ“視覚的”にはそれほどトラウマ映像ではございませんのでそこはちょっと安心してください(笑)我々視聴者が…というよりこの映画に出てくる“将来”がある少年たちに“とってのトラウマ”と言ったほうがいいかもしれません。
少年がオトナになる……「青春時代の終わり」をこう表現するか!!いやーなかなか映像以上に“重い”内容、監督は“チャリンコ版マッドマックス”でマイケルアイアンサイドが楽しそうに相手の腸をいぃ〜とぉ〜まきまき〜するこちらも80年台オマージュソースたっぷりの「ターボキッド」を手がけたフランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセルの3人で構成された“RKSS”というユニットであります。いやー前作「ターボキッド」が大好きだった私は今作もかなり注目していたんですが、いやーこの人たちのまた相当な“80愛”が改めて垣間見れる結果となりました。。。。。
【感想(ネタバレ)】
そーいえば私が観に行った日は満席でした「トラウマ級の衝撃」という謳い文句がやはり強烈過ぎるというか「えぇ!?そんなに後味悪いんか…!?」と本作がR15指定なのも主演が無名の新人キャスト達なのも、そーかそーかこれはきっと殺人鬼によって彼らが惨たらしく殺される残酷な映画なのか??…なんてドイヒーなラストを勝手に妄想していたのですが、実際は確かに親友の太っちょは殺されてしまいましたがあまりに捻りのないシナリオでそのまま突き進んだ感は否めませんし実はただのサスペンスでポスターにイメージするような“オカルト感”が全くなくて盛り上がりに欠ける所はありましたね〜。
いやいやそれでも全然悲惨っちゃ悲惨ですよ!?だって当の殺人鬼は結局捕まらなくて「オトナになったら必ずお前を殺しに戻るからな」なんて捨て台詞まで吐かれちゃうんだから!!え、次は何年後ですか?第2章はいつやるんですか?

想像以上に「ソレ」だった(笑)
何が残酷かって、それまで鬼ごっことか子供じみた遊びはしていたけども、成人雑誌は読むわ酒はくすねるわ親の車はくすねるわ両親から早く離れたいとか言うわ年上の女性とあわや付き合おうとか考えちゃうわそして連続殺人鬼を見つけ出そうとするわ、彼らはオトナに近づきたかった、オトナたちにいつまでも子供扱いされたくなかった、“背伸び”したい年頃だってこと。前半まではそんなオトナに対して強い“憧れ”とか、“夢”といったモノを抱いていた。それがクライマックスで殺人鬼に“オトナになったら殺す”と言われてしまう。ここでオトナに成長=死、という、それまで抱いていた未来に対しての夢とか希望とか、そーいったものを全て、割り箸をへし折るみたいにバキッと思いっきり奪われちゃうわけなんですよ。これこそが一番“「トラウマ級の衝撃」”なんじゃないか。そしてまた逃亡し続ける事が出来るのも今よりまだ技術が進歩していない「THE80」だから、というのもありますよね。
親友を殺され、ほかの仲間たちともラストシーン見れば事件後はなんだか前より口効いてなさそうだし、気になるあの子は引っ越しちゃうし、、、、、失ってばっか。そうラストはそれまであった“全てを失うEND”なのです。その失う=“思春期の終わり”に掛けてると私は捉えました。

でもこの映画のラスト。OPと同じセリフ、同じシチュエーションで幕が閉じますが、デイビーは“失って悲しんで最後”ではないのです。ラストの彼のキリッとした表情。いつか再びまた自分の目の前に現れ殺しに来るであろう殺人鬼との“戦う”覚悟がある目をしているのです!!もう恐ろしくて逃げ回ることはしない、入院後のこの先どーしたらいいのか、未来に絶望してうなだれながら泣くデイビーではもうないのです。ラストは“思春期の終わり”を告げただけではなく、少年がオトナへと成長した瞬間も描いている!!ココがね~いいですよね〜!!“可哀想”だけで終わらせない、少年の成長物語でもある列記としたジュブナイル映画だと思いますッ!!
コメント