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テネット(2020)−ネタバレなし−

更新日:2020年9月21日


【原題】Tenet

【監督】クリストファー・ノーラン

【出演】ジョン・デヴィッド・ワシントン ロバート・パティンソン エリザベス・デビッキ

【あらすじ】

ウクライナでテロ事件が勃発。出動した特殊部隊員の男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、捕らえられて毒を飲まされる。しかし、毒はなぜか鎮静剤にすり替えられていた。その後、未来から「時間の逆行」と呼ばれる装置でやって来た敵と戦うミッションと、未来を変えるという謎のキーワード「TENET(テネット)」を与えられた彼は、第3次世界大戦開戦の阻止に立ち上がる。(Yahoo!映画より)





 
【興奮冷め止まぬプロローグ】







どーもどーもラーチャえだまめでございます。今年も残すところあと半年近くなりましたね、今年は未だ猛威を振るう2月に発生したコロナによりオリンピックやその他様々なイベント祭りごとが中止になりました。今後もまだまだ予断を許さない状況が続いております。また著名なスターや俳優の早すぎる死もありました。気がつけばそんな2020年は“暗い話題”だらけの色々と“滅入る年”として既に記憶に刻まれてしまったかのようです。そしてそれは映画界も同じ。度重なる話題作の公開延期。かつて世界を救ったスーパーヒーローたちも活躍自粛を余儀なくされ往年のスピードスターも未だ羽ばたけず天下のネズミーでさえ思わぬ風評被害により名作映画の実写版を半ば“封印”した現在、今映画産業は完全に「衰退」したと言ってもいい。そんな映画界絶体絶命の危機を救う「希望」
























映画界の「リーサルウェポン(最終兵器)」ついに始動。











2020年この日が来るのをどんなに待ちわびていたことか。彼の名はクリストファー・ノーラン。今最も「この監督が撮れば興行収入間違いない監督No1」“誰も観たことがない映像体験を生み出す率”No1新作が全世界で待ち焦がれる率No1“CG嫌い”の監督No1予告編の意味不明さNo1……「世界が彼の作品を待っていた。」配給元のワーナーは冷え切った映画館のこの状況下で“あえて”当初予定されていた公開日を2ヶ月だけ伸ばしての世界順次公開に踏み切った。彼の新作の興行収入次第で今後の公開日を順次取り決める予定だという、つまりは彼の新作次第で今後の公開作品の“ふゅーちゃ”ぁまで左右してしまう、そんなことなど当初は予見していなかったであろう、しかし結果的に「映画産業の行く末を背負って立つ監督」の一人となってしまった、いやしかし彼ならばそれすら「望むところよ」と軽々と勝負を挑んでくるかもしれない「何故彼の作品は面白いのか」何故ここまで全世界が彼の作り出す“世界観”に熱中してしまうのか?



こんなことを考えてみよう。今日はあなたの誕生日、街中で友人がケーキ屋さんでイチゴのショートケーキを買っている光景を偶然発見したあなた、その友人が自宅にやってきて「今日はクリスマスケーキがあるよ」と告げられる、「目をつぶって」と言われ目の前にケーキがやってきた。目を開けるとそこにはイチゴのショートケーキではなくイチゴたっぷりのタルトだった




























わっけわかんねぇだろ








時を戻そう!つまり私が言いたいのは期待値70%で「ダークナイト」に挑めばその期待値を超える100%でしっぺ返しを喰らい期待値100%で「インターステラー」に挑めばその期待値を超える120%でお尻ペンペンされてしまうような何が言いたいのかもう言わせんじゃねえよ!!(後の逆ギレである)我々の視聴前の期待値を彼は“必ずや超えてくる”のですよそうこのC・ノーランという男は!!毎度“ここまで”期待値と言う名の“ハードル”を超えられる人間が陸上の為末以外に映画界にどれだけ君臨していようか!?紛れもなく彼はその一人であり今や「彼が代名詞」になりつつある!?私はこの現象を勝手にこう命名した





















幸せのイタチごっこ








それは幸福の平手打ち……衝撃に次ぐ衝撃、C・ノーラン最新作そう【テネット】っテネッ!!








……あなたがここまで読むのに失った時間はもう戻せない大変恐縮ではあるが「スマン今までの文は全部読まなくてよかったわ」っテネッ!!………スマン今のも入れておいてくr







そんなC・ノーラン最新作「テネット」。毎度の如く“予告だけでは何がなんだかさっぱりわからない”相変わらずの秘密主義のノーランでありますが今作の“テーマ”はズバリ「時間の逆行」であることは、これはもう劇場前の予告映像やTVCMでもあらかた判明していることであります。この「時間」をテーマ……というのはですね、全国のノーランファンからすれば「でしょうね」案件の何物でもない何せ商業デビュー前の自主制作映画「フォロウィング」の時点で既にノーランは“はじめに結末を見せて「なぜそうなったのか」の原因を後から見せる”という時間軸を逆転させる手法、通称「時間軸いじり」というDrストレンジも喉から手が出る新技を披露しておりますし続く「メメント」でもその技法をそっくりそのまま流用したかと思えばドル箱監督になった後も「インターステラー」でバカルーバンザイも万歳できないレベルの5次元世界の解明に成功し時間への旅はこれで完結……したかと思ったら「ダンケルク」で陸の1週間・海の1日・空の1時間という3つの異なる時間を同時に見せるという新技を見せてくれた時は彼の“時間への探究心”は潰えることを知らずなんだな、そう確信しました。そして最新作もまた“時間”。しかも今回は「“時間”そのものを“見せる”」という、彼の「時間軸いじり」はついに壮大なフィナーレに向けて臨界点を突破しその“究極”とも言える一つの“到達点”へ突き進んでしまったのではないか!?…そんなことを思いながら公開初日、予約開始と共にものすごいスピードで座席が埋まっていくチケット戦争をなんとか乗り越え、いざ劇場へ足を運んだのであります……。



そして私は劇場に入り2時間20分後、劇場を後にした。その時私は一つだけ確信しました


























なにこれ全然わけわかんねぇ(笑)







 
【ネタバレ一切なしの「なぜテネットを見るべきか」】






「インターステラー」で5次元世界のトビラを開いてしまった時に「お監督さんの撮り方じゃない。」と薄々感じてはいたのですがこのクリストファー・ノーランという男は我々の期待値を超越し過ぎてついに一般ホモサピエンスの“並の思考力では太刀打ち出来ない”超時空要塞レベルに“理解不能な超次元”に到達してしまったのだと悟ってしまったのであります。いやーこれはもう初見殺しどころか“初見アウトオブ眼中”レベルの「初見では絶対に理解できない」映画だと私断言致します。夢の層ってなんやミルフィーユか何かかいな?みたいな“「インセプション」で挫折した人はかなり厳しいかもしれない”「インセプション」が小学5年生の漢字ドリルに思えてくる「難解さ」。いやこれは想像以上に難しい。いやいや想像以上に「商業向きじゃない」莫大なマネーを大量につぎ込んだ「俺だけ大好き映画」と言ったらいいのだろうか??しかしこれはウラを返せばC・ノーランが世間の柵から完全に開放されて撮った「究極にやりたい放題やっている」ファンからすればこれこそが我々が“最も観たい映画”ではなかろうか??これが「C・ノーラン映画だ」と言えるのではなかろうか??未見の人にはネタバレなしで本作を一言で表すなら






















“時間”のクセがつえぇ









テネットはズバリ「物理学のお勉強映画」です。もう既にどこかのサイトで「見る前に“コレだけ”は予備知識に注入しとけ」という類の記事が出てきていると思いますが、はっきり言います“読んでおいたほうがいい”。ちなみに私は本作を鑑賞する30分前くらいに調べましたが、調べた上で挑んでも正直「全くわからなかった」がホンネであります。ぶっちゃけると本作は“ネタバレ”することすら難しいのです。「ちゃんと説明することすら非常に難しい」非常にレビュアー殺しの映画なのです。



劇中“用語”が出てくるのですが「その説明が一切ありません。」しかもそれが聞き慣れたものならばまだしも大学で物理学を専攻していなければわからないような(文系の私には知る由もありませんが)もしかしたら一生関わらないかもしれない、実生活では「まず聞いたことがない」ワードなのです。それを「え、アポロ?チョコレートのでしょ?」レベルの“知ってるでしょ”体で平然とセリフに入れているんですね。いやいや世の中には物理が苦手な人もいるんですよノーランさん……
























「エントロピー増大の法則」








これをまずネットで調べてみてください。というか要はこの“エントロピー”のいう単語が出てくるわけです。エントロピー?クラッシュバンディクーのボスキャラみたいな名前だな、なんて思った方は特によく調べてください。このエントロピーという思いっきり物理学ワードには他サイトで調べても少々頭を悩ませます。みなさん例える時にコーヒーカップの熱移動とかコーヒーに垂らしたミルクの動きとかいやどんだけコーヒー好きなんだよと思ってしまいましたが、ここでそれなりの“格好がつく”為に文系の私がご説明するならば、エントロピーとは“無秩序さ”または“乱雑具合”を表す用語……ほらねもう考えるの嫌になってくるでしょ?



ミルクをコーヒーに垂らすじゃないですか?するとどうなりますか?ミルクってはじめは固まってるじゃないですか、その後時間が経つにつれコーヒーと混じり合って終いには消滅しますよね?(消滅って…)この固まっている状態が“無秩序”度合いで言うと……まとまっているのでほとんど無秩序じゃないですよね?このことを“エントロピーが小さい”とか低いとか言うみたいなのです。逆にコーヒーに溶けて混じり合った状態のことを“無秩序”度合いが高い、つまり“エントロピーが大きい”というワケなんですね。このエントロピーが小さい→大きいとなる法則を“エントロピー増大の法則”というわけなのです。



その“エントロピー増大の法則”というのは現実世界では当たり前っちゃあ当たり前じゃないですか?逆に言えば?現実的に考えればこの法則以外“考えられない”って思いません?そしてこのエントロピー増大の法則のもつ“不可逆性”と同様の性質を持つもの、それが“時間”なんですね。時間も「進む」しかありませんよね?小さい→大きいという法則の“不可逆性”と同じことが時間にも言えるのです。でもこの法則がもしも“逆転”したら?つまりエントロピーが大きい→小さいと変わることがもしも“可能”だったら……?つまりそれは“時間の逆行”をも意味するわけでそれが本作「テネット」で描かれるのです。



他にも“反粒子”だとか細かい用語がチラホラ……ごめんなさいこれ以上は“限界”です。



でもね、物理の知識なんて全然ねえからワケワカメだわ!!とはなるかもしれませんが「わけがわからない=面白くない」とは必ずしもイコールにはならないのが、そこがこの映画のゴイスーな所なのです。ですからたとえチンプンカンプンでも実際そこまで心配する必要ないと私個人的には思います。























驚愕の映像体験









はっきりと言います「絶対にあなたがこれまでに体験したことのない映像」を本作では味わうことが出来ます。断言します。大事なことなのでもう一度言います……やっぱやめた



「こんな映像観たことない」CMで「プレステージ」の日本語版主題歌繋がりなのかガクト様が“必死”とか意味わかんねえ感想だな、とか思っていたらああガクト様ゴメンナサイゴメンナサイもうホントにその通りで「目を疑うような“追いつかない情報”を“必死”に理解しようと“必死”」過ぎるのです!!正直に言うと内容が意味不明でも“映像だけ”でも充分楽しむことが出来る、それが「テネット」!!予告でも目にタコが出来るほど散々見たでしょう?逆行する人間、反転から元に戻る車……もう“アレ”だけで充分ですよ!!そんな摩訶不思議過ぎる映像体験を作る上で、ノーランさんここまで来てもまだスギ花粉の時期じゃないってのに“CG嫌い”アレルギーが発病しまくりなんですよね
























“実物至上主義”万歳









「ダークナイト」でトレイラーを本気で半回転させたかと思えば病院まるごと大爆破&続く「ライジング」で実際に宙に吊るされたままの飛行機を解体&墜落させ(“バット”も実物を作り下のアーム部分だけCGで消した)「インセプション」の無重力表現は実際に部屋を筒状にしてその中に俳優を入れ外から人力でグルグル回していただけの超アナログ技術&「インターステラー」の惑星は全て地球上に実際にある場所で撮影され5次元世界も全てスタジオで“制作”プーさんも度肝を抜く撮影のために100エイカーのトウモロコシ畑を実際に作り「ダンケルク」では戦闘機を実際に飛ばして撮影した。なぜここまでして実物にこだわるのか、「“実物”に勝る迫力なし」CGでやるのと実際にやるのとではどちらが凄いか、それはもう実際の方に決まっているじゃないですか?遠い遥か彼方の銀河系映画だって実現不可能だからCGを多様するわけで、アレと同じことがもし実際に撮影できるなら間違いなく“実物”の方が凄いに決まっている……しかし予算の都合や失敗する危険性などを考慮し“普通はやらない”のが並の監督、しかしノーランは違います「“やらない”ことを“やっちゃう”のです」彼はもう日産の社長になって食っていけるやっちゃえ問題児なのです彼はしかしそーゆー人間なのです!?では今作ではどうか。“時間の逆行”など現実に起きるわけがない、では現実で撮影することは不可能なのか?























全て“ホンモノ”









「逆行するアクション」。一切CGを使っておりません実際に俳優とスタントマンが“逆行する動き”を緻密に再現しているのですよ……CG嫌いなノーランさんならば至極まっとうなアナログ手法だなーとは思いましたが……これ“やる方”は相当大変でっせ?
























全て“ホンモノ”









ジャンボジェット機まるまる1台買い取って滑走路をガン無視して建物にそのままドーン。鑑賞中に心の中で「ワイ空飛ばずにこのまま激突するんかああああー!!!!」と何故か飛行機の気持ちになって同情してしまいましたねアーメン…。



ほかにも「全て“ホンモノ”」なシーンは数しれず、メイキング動画も公式でアップされておりますのでもし気になる方はソチラもチェックしてみて下さい。「え、これCGじゃないの?」あなたが思っている“以上”に「全て“ホンモノ”」映像であることがわかります。ね?もうこれだけでも充分“劇場案件”であることがわかりますよね??






それと耳キーンなるわくらいに重音で叩きつけるような「脈拍爆アガリなBGM」



「ダークナイト」のテーマ曲等これまで長年の相棒ハンス・ジマー氏とはスケジュールの都合で再タッグならず、今作でスコアを担当しているのはそのジマー氏から“推薦”されたという若干ジャレッド・レト感のあるルドウィグ・ゴランソンという作曲家であります。はて一体…?という方の為に少し説明すると今や第二のランド・カルリジアンの異名を持つドナルド・グローヴァーことチャイルディッシュ・ガンビーノの“This Is America”を共同作曲しグラミー賞を受賞、映画サントラとしては大学で出会ったライアン・ク−ダラー監督とタッグを組んだ「クリード」や「ブラックパンサー」などのサントラを手掛け後者はアカデミー最優秀オリジナル・スコア部門を受賞、若干36歳という若さながらまさに今飛ぶ鳥を落とす勢いの作曲家、ルドウィグ・ゴランソン。



今作では「誰も聞いたことのない音楽」を追求した結果?なんとC・ノーラン自身の“声”を混ぜたり音を“逆再生”したようなこれまた不思議な音調のサントラを爆誕させてしまいました。もうIMAXの音響効果も合わさりダンダン脳震盪を起こすレベルに響き渡る激しいスコア。映画音楽でその作品のイメージって決まるじゃないですか?いやドウィグ・ゴランソンのスコアめちゃくちゃいいわ〜。正直ジマーじゃないのが少し心配な所もあったのですが全然、いやむしろ今後彼とのタッグも全然アリストテレスですよ。ちなみに今作では「メメント」以来となるEND曲が採用されておりまして、世界的ラッパートラヴィス・スコットの“The Plan”という曲が最後に流れるのですが…これがまたまたカッコよくって本作の為に書き下ろされた曲ともあり世界観にフィットしまくり&ノーラン作品でラップがこんなにも合うのかと思い知らされてしまいましたねー。





















「究極のスルメ映画」









個人的にこれまで何度もノーラン作品をリピートしてきましたが本作は間違いなくその中でも「リピート率が高い」映画だと思います。観たあとに真っ先に「誰かと話したい」。そして話して議論したら「それを確かめるべく“また見に行く”」本作はそんな「究極のスルメ映画」なのです。先ほども言いました“初見では絶対に理解不可能”しかし壮大な映像とBGMで観客を未知の世界へ誘ってくれる、だから“また観たくなる”のです。何度も何度も鑑賞してもおそらく「全く飽きが来ない」と思います何故なら「全く体験したことのない映画」だからです。



もはや面白いとか面白くないとか難解だからという理由で「体験」しないのはあまりに勿体ない。劇場に足を運ぶことそれ即ち






















「あなたが一生観れるかわからない映像体験が待っている」








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