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ナイトメア・アリー(2021)


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【原題】Nightmare Alley

【監督】ギレルモ・デル・トロ

【出演】 ブラッドリー・クーパー ケイト・ブランシェット トニ・コレットほか

【あらすじ】

ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる。しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた。(映画.COMより)






【感想】
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『大沢たかおと檀れいたいして関係ない説』





どーもどーも喫茶店のモーニングを13時に注文しますラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました



【ナイトメア・アリー】……!!!シュレックじゃねえよデル・トロだよ!!!でお馴染みハリウッドきっての“オタク”メキシコの宝ギレルモ・デル・トロ監督の最新作……朝の情報番組の取材中にサプライズゲストでバルタン星人とご対面して「うぁあああバルタン星人だぁあああ!!!」と興奮しまくりの超合金ロボを握りしめた5才児がそのままカイジュ……巨大化したようなおじさんも今や「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー作品賞と監督賞をダブル受賞する実力者として未来永劫映画界にその名を刻むトップクリエイター。そしてかねてから「ファンタジーとノワールを撮りたかった」と豪語するそのノワールを今回本人の念願かなってついに映画化……しかも自身もファンだという47年に一度映画化された米作家ウィリアム・リンゼイ・グレシャムの「ナイトメア・アリー 悪夢小路」というノワール小説の実写化、というわけなんですねぇ。


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これまで妄想世界、アメコミ、カイジュウロボット、そして人魚と「ファンタジー」を極めたデルトロ監督が?初の「現実世界のみ」をフィーチャーしたということで気になっていたのですが、蓋を開けてみれば怪しいサーカス団、ホルマリン漬けにされた三つ目がとおる、獣人サンダーライg、そして















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ハリウッド版ごんぎつねさんはケイト・ブランシェットで決まりですか?





おま、ホントに現実かよ!?ダークファンタジーを撮らせたら右に出るものはいないデルトロ監督が描く「現実」は、想像以上に奇妙でダークで恐ろしいものだった……??学校の教科書にも載せたい















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「THE因果応報映画」






だったんですねー。










あーもう脱糞、あ、いやあまりの“完璧すぎる”OPに脱帽!?見知らぬ男が誰かもわからぬ死体を床下に隠してふかしていたタバコをその中にポイッ……そこから広がる炎の世界。男は燃え上がる屋敷をバックに草原の中を一人歩いていく……もうここまでカンペキ過ぎるんですけど〜。“「嗚呼〜上手いなぁ〜!」流石デル・トロ監督、映像技術の高さに早くも興奮を覚えてしまいましたッ!!


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男はバスに乗車中うたた寝をしてふと目を覚ます。バスを降りるとそこには闇の荒野に突如出現したかのような怪しげな“カーニバル”が広がっていた。。。。本作の舞台は1939年の「グレイテスト・ショーマン」でも描かれた、その次代奇形児として生まれた者達が集められたサーカスがあった。“フリークス”と呼ばれた彼らがいるサーカスは“見世物小屋”として物珍しさ見たさに観客を集めたがその後不当な労働が明るみになり警察が一斉検挙に乗り出したという。しかし中には警察の目をかいくぐり人里離れた土地で不当に開催するところもあったんだとか。男がたどり着いたカーニバルもまさに移動式の違法サーカスで“獣人ショー”と呼ばれる催しが一番の目玉らしい。獣人って言っても中身はただのアル中退役軍人なんですけどね?それをじっくりコトコト何日もかけて“手懐け”て客寄せパンダにするんだよ……そう自慢げに語るのはこのカーニバルの団長ウィレム・デフォー。彼は男に「ウチで働かないか」と提案します。男は言われるがまま仕事を手伝うことに。ここでは誰もが他人の過去に口出しなんてしない。つまり“どんな過去”があろうと皆が平等に生きられる。まさに男のような“流れ者”にはうってつけの場所



獣人のほかにも妖怪クモ女、ホルマリン漬けになった赤子、タロット占いに降霊術もなんでもござれな魔女のトニ・コレットが何故かリビングのど真ん中にバスがある謎すぎる構造の家の中へと男をいざなったかと思えば本作が生まれるキッカケになったデル・トロに原作本を渡したのは実は彼だった?デル・トロとは旧知の友ロン・パールマンが怪力男として片手でベンチプレス持ち上げて……いや〜胡散臭、怪しいですね〜実に怪しいですね〜。しかし最も怪しいのは“流れ者”としてカーニバルで働く身となったこの“無口な男”だったのです…。


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男の名は“スタン”。演じるはアカデミー賞でウィル・スミスを元気づけた一人ブラッドリー・クーパー。いやーカッコ良すぎる。勿論二日酔いにならなければ誰もが認めるイケてるメンズですがこのスタンという男とにかく“謎が多すぎる”。て言うか序盤はほぼ口開かないからね??この何か人に言えない危険なものを隠し持っているような匂いがプンプンする、スタンという男を見事に演じているというかメチャクソ様になってるんですよね。イケメンの瞳から漂う“嘘”……そしてアタマが抜群にキレる。



ある日デヴィッド・ストラザーン演じる曲芸師から“読心術”と呼ばれる「相手の心を読み取る」究極のワザの存在を知り感銘を受けたスタン。その時彼の中の「野心」に火がついた…?これを会得すれば究極の“エンターテイナー”として頂点に上り詰めエンタの神様になることも可能?スタンはワザの会得に猛進し徐々に才能を開花させていく。しかしこのワザは一歩間違えればワザをかけた人間、いや自分自身すら「破滅」しかねない??超危険な代物だったのです。



前半はスタンが栄光へと駆け上がっていく姿を描きカーニバルで働くルーニー・マーラ演じるモリーと駆け落ちして2人でカーニバルを抜け出してからの2年後の話を後半で描いています。尺で言うとだいたいちょうど同じくらい。後半パートはすっかり富と名声をむ売れっ子芸人となったスタンが高級ホテルで上流階級たちに読心術を披露しますが
















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後光からわかるレベチ






会場で一人の女性から“挑戦状”を叩きつけられたスタン。この女性こそ後にスタンの運命を大きく変えるケイト・ブランシェット演じる“リリン”という“凄腕の精神科医”だった…??美魔女の最終形態ケイト・ブランシェットの妖艶な美しさ……いやーリリンはすぐにスタンの読心術のカラクリを言い当て会場でインチキだと主張し始める。敵か味方か?後半はスタンとリリンの“バチバチの心理戦”が描かれます。圧倒的霊圧……あいや圧倒的強者感漂わせる2人。スタンとリリス、互いが互いに“騙し・裏切り・利用しようとする”気が満々なんですよ!?そしてスタンはリリンにある取引を持ちかけます。過去にリリンが担当した上流階級の患者の目からウロコなプロフィールを渡す代わりに元患者に読心術をかけその報酬として巻き上げた多額の金を2人で山分けしないか…?こうしていつしか切っても切れない関係性へと発展していくスタンとリリン。そしてここからスタンの“逆転転落人生”がはじまる…!!!


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スタンが全裸で白ブリーフ履き始めたらもう西村とおるにか見えな…否それよりもっと酷い!?一人の男の「華麗なる転落劇」。いやー因果応報とはまさにこのこと。そりゃあ危ない橋まで渡り始めてめでたしめでたし…にはそうは問屋が卸さねえって話なのは言うまでもありませんが?原作は何十年も前に書かれたものですが今の時代にも通用する、いつの時代も














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調子乗りすぎは災いのもと





嗚呼〜これぞ人のカルマなのか!?師匠の教え「この技は己の破滅を生む」とは何なのか?それすなわち、「人を操るチカラを持った人間は己を過信し過ぎて目先の落とし穴に気づけない」だから身を滅ぼすんだと。人間って痛い目合うまで突っ走る性格じゃないですか?少なくとも私はもう完全にそのタイプでして……中には痛い目にあっても懲りずに続ける往生際の悪ささえ……自分でもわかってるすけどねぇ。だからスタンに妙に親近感を感じてしまいましたね。まぁ彼ほど才能を開花させるだけの努力を嫌いな自分にとっては真似できませんけども、けどもし自分も彼みたいな才能を持ったら……おいおい詐欺師一直線じゃねえか



デル・トロ監督は今回人の内面に隠された「愚かな怪物」を、ついに特殊メイクも施さずにスクリーンに登場させたと言っても過言ではない??まさにこれまで得意としてきた「ダークファンタジー」を突き詰めたら、人生ほど暗くて異世界じみた話はないんじゃないか?現実は創作より奇なりとはまさにこのこと。ドロドロとした人間模様になりそうな所を美術(特に後半のリリンの職場のゴージャスさ)とテンポの良さでサラサラにしているから見やすい。ところどころ原作を改変したそうですが、ラストシーンは逆に原作を忠実に再現したんだそうです。いやーこんな恐ろしいお話がうん十年前からあっただなんて、人の業は全く進歩しないものなのですね…。

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