ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020)
- ラーチャえだまめ

- 2020年3月29日
- 読了時間: 10分

【原題】Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)
【監督】キャシー・ヤン
【出演】マーゴット・ロビー メアリー・エリザベス・ウィンステッド ジャーニー・スモレット=ベル
【あらすじ】
ジョーカーと別れたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)は束縛から解放され、街にはびこる悪党が敵意を持つほど暴れまくっていた。謎のダイヤを盗んだ少女をめぐって、裏世界を支配するサイコパス、ブラックマスク(ユアン・マクレガー)と対決することになった彼女は、くせ者ばかりを集めてチームを作り上げる。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『地味にめっちゃ嫌がるヤツ』
どーもどーも二子玉川ライズの駐車場で30分迷いましたラーチャえだまめです…ハイ、と今日もバチッと決まっても決まらなくても今日はとってもガアァァリィィィー!!!な映画が華麗に覚醒してしまいましたよそう!【ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY】!!!いやー去年の東京コミコンで調子こいて1時間並んだ末に手に入れたけどハーレイの顔面がでかでかとプリントされた姿を冷静に見て「コレハ、オソトデハ、キレナイ。」と長らく部屋着と化していたパーカーを着てその上からジャケットを羽織りついに念願叶ったオソトへGOGO!!と意気込んだものの映画館を前にして突然冷静さを取り戻し

そっとジャケットのジッパーを上げる小心者です
歳って怖いなぁー怖いなぁー(by稲川淳二)そんな事はどーでもよくって待ちくたびれた末に公開延期が続く現在予定通りに日本でも公開された(鑑賞日3月24日)マーベルじゃないよッ!!DCだよッ!!何なんだよッ!!!DCコミック原作「BIRDS OF PREY」の実写映画化でございます。全米では今後公開予定の全ての作品の公開延期に伴い先日「ワンダーウーマン」の新作がデジタル配信になるかも??なんていう衝撃的過ぎるニュースが飛び込んで参りましたが、、、、、コチラ去年アメリカで既に公開済みの作品だった、ということで日本でも公開出来たらしい。いやぁホントにいつまで続くのやら……
主役は容疑者から華麗に覚醒し今年のアカデミー主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックスとは血の繋がりはおろか縁もゆかりもオカカもない実際にはそのホアキンに役を奪われ「役にフラれたオイラの方だよ!!」とマーベルに寝返りかつての宿敵を意識したコウモ、、、吸血鬼として今年単独映画の公開が控えるジャレット・レトが演じた前作「スーサイド・スクワット」の「ジョーカー」にフラレて一人の女性として?自立することになったハーレイ・クイン!!そして演じるのはそのハーレイ役で一躍世界的ブレイクを果たした他の映画とはあまりにギャップがありすぎて同一人物に見えないマーゴット・ロビー!!エレガントで“大人なセレブ感”漂う素顔に一児のお母さんとは天変地異が起きても見えないド派手なキューティクルギャルコスは未だ健全でございます

いや前作「スーサイド〜」でも立派な“主役”として活躍していて充分目立っていたワケでまた彼女を主役に??と思われる方もいるかもしれませんがブルースウェインはまた更新されるし?クラークケントはスーパーマンをやるとかやらないとかいい加減だし??先行き不明のDC映画事情を鑑みて?結果的に同じくマーベルいやネズミーにフラれたジェームズ・ガン監督による「スーサイドスクワッド2」が始動することになりましたがそれより前から計画されていた本作は「ならまたツワモノチームでも組んじゃおうぜ」的なノリで作られたと言っても過言ではない??ハーレイを筆頭にこれまたとんでもクライシスな“寄せ集め”チームが爆誕してしまいましたとさ!?
しかも監督は前作のミリタリー大好きオタクのデヴィッド・エアー監督から元ジャーナリストという異色の肩書を持ちアメコミ映画で初めてアジア人がメガホンを撮ったことでも話題になったこれが長編映画2本目のキャシー・ヤンという女流監督……これまた内容が全く予想出来なくてウズウズベキスタンしていたのですが蓋を開けたらたっぷりベーコンと卵のサンドに朝から命をかける羽目になるハーレイが見せる“ワチャワチャ”に壮大に振り回される、アメコミ映画お得意の“お祭り感”にドップリ浸れるそれでいて

どことなく漂う「デップー感」
OPから“お遊び要素”フルスロットルでやりたい放題だし画面に向かってハーレイが観客に話しかけるわ物語の鍵を握るアジア系のカサンドラが「デップー2」のラスティと重なるし特に前半は話を突然止めてぺこぱの必殺技「時を戻そう」を発動させたりとワリと類似点が多い。DCコミックでは初となる“R指定”作品、という事もあってかところどころで「デップー」を意識している??しかし裏を返せば「デップーノリが好きならハマれる」という方程式が成り立ってしまうという危険性をはらんでいるわk……

そのハーレイがタトゥイーンの隠居生活中にダークサイドに落ちゴッサムシティの犯罪王となってしまったユアン・マクレガー演じるレッドスカルともレッドフードでもない“ブラックマスク”に命を狙われて結成するのがサンドラ・ブロックも喉から手が出るほど欲しいかもしれない最強ヒロイン軍団「バーズ・オブ・プレイ」!!DCのチームは“アチラ”と違って日本ではまだまだ知名度がないもので??それはコチラも例外ではなく??ハントレスにブラックキャナリー、レニー・モントーヤ……ホォ〜ラ姐さん達誰?とNO知識人は不安に思うかもしれません。しかしそんな事もあろうかとハーレイ姉ちゃんわかってらっしゃる!?各キャラクターの“プロフィール”をご丁寧にご説明してくれるので予習復習全くノー勉でノーブロブレム!!ついでに言うと前作「スーサイド〜」との繋がりもノーですので本作からでも安心してハーレイワールドに潜入することが可能!!むしろまた新たな“推しキャラ”に出会えるチャンスかもしれませんよ??
ちなみに私は以前ゲームで使用していた「ブラックキャナリー」が気になっておりました。“キャナリー・クライ”という超音波が必殺技のヒーローでTVドラマにもなっているグリーンアローとは恋仲。TVドラマの出演が多いジャーニー・スモレット=ベルという女優さんが演じているのですがトレードマークの金髪ヘアにちょっとオラオラ系の見るからに“強そう感”がカッコよかったですねー。あとはメアリー・エリザベス・ウィンステッドが演じる、とだけしか知らなかった「ハントレス」も、冷酷な暗殺者かと思いきや「どことなく会話が噛み合わない」不思議ちゃんキャラが返って高感度バク上がりって何?

イカれたプリティガールだけじゃない今作でかなりカラダを張ったアクションを見せてくれるハーレイいやマーゴット。「スーサイド〜」でも獄中で体操選手トォォォォォォ!!!なアクロバティック技や「アイトーニャ」でスケート選手を演じるにあたり“柔軟性”を披露してくれたこともあり元から運動神経は良さそうなマーゴットですが今回アクションのほとんどを彼女自身がやってたんじゃないかな??これまたしなやか過ぎる華麗なアクションにカッコいいシーンのとこだけスローモーが発動する“キッチリ魅せるアクション”。
そしてチーム結成後は多勢の敵相手に各々バッタバッタと敵をなぎ倒していく“アベンジャースタイル”がこれまたカッコいい。「ジョン・ウィック」シリーズのアクション監督が担当していることもあってアクションも見どころでございます!!またR指定作品ですが同じくDCの「ジョーカー」もR指定でしたしその前にも「デップー」で“散々な光景”を見ている人なら「え、これホントにR指定?」くらいの表現に抑えられておりますので苦手な人にもそこまで気にかける必要はないと思います!!
【感想(ネタバレ)】
正直もっと早くハーレイが“ワンチーム”を組んでくれるのかと思っていたのですが、前半はひたすら後にチームに加わるキャラクターの説明なり何なりでそこまで進展がない、その辺が少し人によっては“かったるい”と感じるかもしれません。言うなれば前半・中盤は後半の

全ては“このシーン”の前フリでしかない
言ってしまえば本作の全てはあの後半のシーンと言ってもいい、けど面白いのが前フリがめっちゃ長いのに結局チームを組む理由というのが「とりあえずその場に居合わせたから」ってめっちゃ単純な理由って(笑)ブラックマスクに命と引き換えにカサンドラを誘拐する事になったハーレイも、そのカサンドラを救う為暗躍するダイナ(ブラックキャナリー)も、復讐に燃えるハントレスも、ハーレイを追うレニー・モントーヤ刑事も、みんなそれぞれバラバラで動いていて何の因果かタイミングよく揃っちゃった!!でなんかみんな命狙われてるからいっちょチーム組もうや、みたいな??
今作はあくまでチーム結成までの道のりの話でチームの“顔合わせ”程度だった、個人的にはブラックキャナリーの“キャナリー・クライ”が一発だけしか拝めなかったのが少し残念でしたし、彼女たちの掛け合いや関係性の変化は次回以降、ってことですかね?映画のラストでダイナとハントレス、レニーの3人は意気投合して自警団としてチームを継続……でも彼女たちは次の「スーサイド〜」には出てこないワケで。彼女たちの活躍がめちゃくちゃ見たい!う〜んこれはこれでまたシリーズ化してくれるのでしょうか??
今回登場するハーレイは前作「スーサイド〜」のハーレイとは“明らかに違う”点がありました。彼女の衣装も劇的に変化した

“男ウケ”→“女ウケ”へ
前作の半ケツ丸見えのパンツに編み編みのニーハイ(?)姿で世の男性諸君の目の目のやり場に困った“エロカワ”コスチュームから一転、付箋つけまくったジャラジャラジャケットに金色のオーバーオール姿という“極カワ”コスを選ぶ超センス。男性目線は完全に撤廃されジョーカーと別れた結果ある意味全てから“開放”されたかのような、「己が着たいように着る!!」ハーレイの“自由度”が衣装デザインからも大爆発しているような?ほかにも着物(?)みたいな武装スタイルにマリリンモンロー姿でエレガントに歌う映画ネタまで……衣装デザインもかなり凝っておりました。おっとネタと言えば

愛すべき雑魚(笑)
「スーサイド〜」を見た人でも「アイツだれ?」となり兼ねない一人だけ“小物感”がハンパないのが逆に大好きになってしまった「スーサイド〜」でジョイ・コートニー扮するブーメランを投げることしか能がない男キャプテンブーメラン!!まぁ出たと言っても指名手配書だけですが…(笑)前作からまた逃亡したのでしょうか??「コイツは知ってる♡」そう!!忘れないでいて下さいよぉー!!!この愛すべき雑……小物感と言ったらコイツも忘れてはいけません

小物感がハンパない(笑)
え、えぇ……そんな終わり方!?最近のアメコミ映画の中では珍しく“秒で死んだヴィラン”として全く記憶に残らないかもしれない!?相手の顔を剥ぐ狂気に満ちたヴィランのはずなのにユアンだとイマイチその怖さが伝わってこないというか……(パーティー大好き成金オーナーってイメージは伝わった笑)実際ユアンを起用したのもブラックマスクの“ゲイ”という設定にちなんでアイシャドウ塗ってちょっと女々しい役出来そうだったから、だけだったりして……?ブラックマスクが女を嫌う理由もわからずじまいだし、今回ヴィランサイドは“おまけ”程度の扱いでしたね。まぁその代わりひたすらハーレイが画面いっぱいに映りまくるのでまぁ別にいいかって思ったらそうなのですが……(笑)今作を見ると前作「スーサイド〜」やっぱり“漢ウケ”映画だったんだな、と逆に今作は女性向けのヒーロー映画と言っても過言ではない作品だと思いますねー。

今作を見ると前作「スーサイド〜」やっぱり“漢ウケ”映画だったんだな、と逆に今作は女性向けのヒーロー映画と言っても過言ではない作品だと思いますねー。近年のアメコミ映画は「ヴェノム」「ジョーカー」、そして「スーサイド〜」と立て続けに“アンチヒーロー”ブームが来ております。ハーレイもその一人。“正義”ではない“悪党”だからこそ魅せられる魅力と言いますか、我々は日頃の“綺麗事”だけでは解決出来ない何かを代わりに強引なりとも解決してくれてスカッと喜びを与えてくれるアンチヒーローに今人々は魅力を感じるのかもしれませんねぇ…w(そして私もその一人笑)




智広さん いつもコメントありがとうございます😊 マーゴットロビーの怪演がとにかく素晴らしく、ハーレイのゴスロリな次に別映画で拝見すると同一人物とは思えませんよね笑 「ダークナイト」シリーズはまた全然関係なくて、ハーレイクインの活躍が見たければ「スーサイドスクワット」から、またハーレイのいる世界にいるバットマンは「バットマンvsスーパーマン」のバットマンになります!!(ややこしい…笑)
またまたお邪魔します。
この映画はまだ見てないのでネタバレは読んでませんが、とても面白そうですね。
主演女優の他の映画での役をみて驚きました。本当に別人みたい笑
やっぱり俳優さんってすごいですね。
役によって印象が全く違ってきます。
まずはダークナイトを観てから、の方が楽しめそうですね。