バニシング(2018)
- ラーチャえだまめ

- 2020年8月12日
- 読了時間: 5分

【原題】The Vanishing
【監督】クリストファー・ニーホルム
【出演】ジェラルド・バトラー ピーター・マラン コナー・スウィンデルズ
【あらすじ】
スコットランド沖の無人島アイリーン・モア島に、灯台守のトマス(ピーター・ミュラン)、ジェームズ(ジェラルド・バトラー)、ドナルド(コナー・スウィンデルズ)がやって来る。嵐の夜の翌朝、三人はがけ下で倒れている男と木箱が積まれたボートを見つける。木箱を引き上げようとすると、倒れていた男が突如ドナルドに襲い掛かり、彼は身を守ろうとして男を殺してしまう。木箱の中には大量の金塊が入っていて、彼らは自分たちのものにしようとするが、それを捜す二人組の男が現れる。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『真相は灯台 “より”暗し?』
どーもどーも先日新しい白のスニーカーを買ったのですが履いてみてあまりに白過ぎるので汚れないかな〜汚れないかな〜と思わず足元ばかり気にしていたら電柱に激突しましたラーチャえだまめです。早速ですが皆さん

アイリーン・モア灯台事件
という事件をご存知でしょうか?オカルトマニアの間ではわりと有名かどうかは定かではありません世界うんたらミステリーの一つ、スコットランドのフラナン諸島にあるアイリーン・モアという島で起きた怪事件。時の始まりは1900年、貨物船が現在位置の確認にアイリーン島の灯台の光を探すもどこを見回しても見つからず、その後食糧を乗せた定期便の呼びかけにも応答なし、調査隊が島に上陸し灯台に駆けつけると荒らされた形跡のない灯台内で灯台守の姿だけが忽然と「消えて」いたという……。消えた3人の名はジェームズ・デュカット、ドナルド・マッカーサー、そしてトマス・マーシャル。嵐により海に投げ出された説、誤って足を滑らせた事故説、さらには殺し合いをした挙句海に身を投げた説など、これまでいくつもの仮説がたてられたが未だ真相が分からずじまいの摩訶不思議怪奇ミステリー
を、さながら参考人不在の「パーフェクトストーム」のごとく「たぶんこうだったんじゃね?」と大胆不敵な特大解釈で映画化した映画その名も【バニシング】!!をご紹介したいのでありますが、いやー個人的にはUFO誘拐説を全力で推していたのですが疾走すりゃなんでも異星人のせいにする悪いクs、否そこは屈強なスパルタ人のせいにすれば良かったのかもしれない

野獣のような見た目に反し1年間伸ばした髭を号泣しながら剃る動画をインスタにアップする実は可愛いおっさんの一面を持つ赤坂郵便局の局長ならぬアイアムアスパルタ芸人ことジェラルド・バトラーが消えた灯台守の一人ジェームズを演じているのですが、いやーこれまたフタを開けてびっくり、正直スパルタ人にはここより半魚人と死闘を繰り広げる方が合ってたかもしれない屈強な戦士も流石に精神的に萎えまくりの灯台下暗しならぬお話が

灯台「より」暗しだスパルタああああああああああああああああああ!!!!!
貧しい一家の古代ギリシア式大黒柱のジェームズ、お茶愛好家のトマス、そしてこれが初参加のナウいドナルドの男3人のむさい無人島し共同生活。右も左もわからないドナルドに仕事の流儀を教えるジェームズと若干「若輩者は…」が口癖な最年長トマスの相手をする羽目になる

ネトフリの大人気ドラマ「セックス・エデュケーション」で今ブレイク中の若者俳優コナー・スウィンデルズ演じるドナルドもドナルドでアハッ!!なかなかの調子乗った若造感アリストテレスな小童でして突然何を思ったのかふざけてジェームズを後ろから羽交い締めにした時はそのまま横スクロールで崖下に落とされないかヒヤヒヤしてしまったのですが……戦士たる者そこは寛大な精神を持ち合わせたバトラーいやジェームズ決して“発狂”することなくドナルドも事なきを得てひと安心、その後もなんだかんだ3人の仲は深まっていった
が、その矢先の「ある出来事」により3人の歯車が徐々に狂い始める……
もうとにかくこの映画は何が言いたいんだって「人間の腐った野心」からの「人間性の消失」という??とにかく先に進めば進むほど洞穴の如く出口のない先の見えない「闇」に人間が落ちていく様をただ見させられる、はっきり言って最後まで観ても「いい気はしない」とっても「鬱」系の映画、なんですねぇー。

島の岸壁に打ち上げられた木箱と見知らぬ男の死体。箱の中身は……一生暮らせるやもしれない「金の延棒」。はじめにそれを知ったのはトマスただ一人でした。ただ彼は金を見るなり「金を持ち出せば絶対に面倒ごとに巻き込まれる」と踏んでジェームズ達には秘密にしていたんですね。しかし運悪く2人に見つかってしまいます。童心に帰ったように喜びまくるジェームズとドナルド。それを見たトマスははじめは反対していましたが「俺の言う事を一言一句守る」ことを条件に金を盗む計画を企てる。そこへいかにも人相の悪い男2人が島に上陸して来ます。トマスの悪い読みはズバリ当たってしまうんですねー。3人は無事金を手にすることが出来るのか?そしてそれが世界的怪奇事件とどう繋がってくるのか??まぁおそらくは全て「仮定」の話だと思うのですがまさに本作は人間の“悪しき本質”を映し出していると言うか

カネは人を「狂わす」
それはいつの時代も同じ。つい金に目が眩んで、お金欲しさに……そうやって人は「狂って」いくのです。そしてそれを必死に「正当化」しようとする。あの金はきっと誰のものでもない。あの金を追ってきた男たちは俺たちをはじめから殺そうとしていたじゃないか!!だから「仕方がなかった」んだ、と……
でもそう他人を、そして自分自身を納得させるにも必ずいつかは「限界」が来る、限界がきたら人はどうなるでしょうか

ぶっ壊れちゃうんですね
理性崩壊まさに全てを「破壊」する何もかもを。。。それをこの「アイリーン・モア灯台事件」を軸に描こうと、そういう魂胆なんですねー。ま個人的にはそれでもUFO誘拐説が最有力候補だと思っているんですけどね

いい歳こいたおっさんがくっついたり離れたり(そしてラジバンダリ)ツンデレかましてんじゃねえよ!!全然可愛くねえんだよ!!!と若干性格の浮き沈みが激しい所もありましたが、オカルト系かと思えば「ばっちりサスペンス」しているので意外といえば意外かもしれません。何度も言いますが「観ていい気分にはならない」ただ、生々しい人間のサガを灯台の光越しからまるで垣間見るかのような、そんな映画でございます。ま個人的にはそれでもUFO誘拐……




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