ブラック・ウィドウ(2021)
- ラーチャえだまめ

- 2021年7月18日
- 読了時間: 12分

【原題】Black Widow
【監督】ケイト・ショートランド
【出演】スカーレット・ヨハンソン フローレンス・ピュー デヴィッド・ハーバーほか
【あらすじ】
孤高の暗殺者ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の前に、ある日突然「妹」のエレーナ(フローレンス・ピュー)が現れる。二人は自分たちを暗殺者に仕立て上げたスパイ組織レッドルームの秘密を知ってしまったため、組織から命を狙われていた。姉妹が頼れるのは、かつて組織によって作られた偽りの家族しかなかったが、レッドルームの陰謀はこの「家族」の再会に仕組まれていた。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『蜘蛛ではなく蛍でした』
どーもどーもお腹いっぱいなので食べかけのハンバーガーを一瞬バッグの中にいれて持ち帰ろうかと思ってやめましたラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【ブラック・ウィドウ】!!!「クワイエットプレイス2」「ゴジラVSコング」に続き去年公開“されるはずだった”作品達が?ようやく公開ラッシュを迎えることになりましたですねー、そしてMCUファンが待ちに待った新作……もう言わずもがな「アベンジャーズ」の“影の立役者”感はあれど他のヒーローと共に思いっきり戦場で暴れちゃってる姿はもう“スパイ”とはいい難い新宿のヨドバシカメラの前で抱きしめたい女優No1世界のスカヨハことスカーレット・ヨハンソンの“代名詞”にもなったブラックウィドウパイセンのこれまシリーズ通して明かされることのなかった“彼女のヒストリー”その他もろもろ家族の話!?……これは是が非でも劇場で拝みたい!!去年日本で初となる単独アメコミの翻訳版も購入し準備万端でこの日を待ちわびておりました……という訳でディズニープラスに屈することなく今回IMAXシアターで拝見させて頂いたのですが
■「前半→“らしくない”後半→“やっぱ安定の……”」
毎度どこまでがネタバレでどこまでがネタバレじゃないのか人によりけりな所もあるので難しい所ですねー。ただOPだけでも言わせて下さいよ社長!!マーベル映画って何作出てるんでしたっけ?もう両手使っても数えきれない程沢山ありますけどね、いやーもうこれまた「全然これまでとは毛色の違う」アメリカの犯罪ドラマみたいなカッコいいOP!?まだまだ我々が遭遇したことのない「マーベル映画」をまだまだ……まだまだ爆誕させてしまうとは……!!誰かさんの服のポケット並に一体いくつ引き出しがあるというのだ……

しかし“じゃあこれまでとは違う=シリーズファン興ざめ”かと言うと、そこから物語が徐々に進んでいけばですね「ああ、“いつものマーベル”だな」と最後にアラン・シルベストリお決まりのアベンジャーズのテーマ曲が流れてそれが確信に変わってしまうんですよねー!!
そもそもの話的に?「エンド・ゲーム」でスターク社長と共に哀しくも「見納め」が確定した「初代」ブラックウィドウことナターシャ・ロマノフ……気になる今作の活躍っぷりは時系列で言う所のちょうど「シビルウォー」と「インフィニティウォー」の間に起こった話、なんでありますねー。……はい!と言うわけでこれ以上はお口チャックノリスでいいでしょうか…??
……尺が余りました。何話そう……制作陣の話でもするけ?本作が爆誕するまで実に“8年”もの時間がかかったらしい。なかなかマーベルスタジオはブラックウィドウ単独主演映画のGOサインを渋っていたんですね。女性単独ヒーロー映画というのも本当にココ最近になって来てからですもんね、まぁ女性ヒーローがヒットしない、というのはハリウッドの完全なる見当違いだった、というのが近年判明してスペース姉貴(キャプテンマーベル)に続き映画ではマーベル史上2人目の女性ヒーロー映画……しかしスーパーサイヤ人並にガッツリヒーローやっていた先述の姉ちゃんとは違い、今作では「ヒーロー映画」以前に「スパイもの」である、という側面が強調されこれまた違ったヒーロー像……“これまでにいなかった”ヒーロー映画となっているのではないかー?
■支配力の強い男ってク◯だよね
「ワンダビジョン」でも脚本を担当したエリック・ピアソンは今作の脚本制作にかなり苦悩したそうで、これまで原作でもシークレットな要素が多いウィドウの“人生録”をほぼイチから作り上げなければならず、主演のほか制作指揮にも名を連ねるスカヨハと共に色々あーだこーだアイデアを考え試行錯誤したそうな。そしてスカヨハが惚れ込み今作の監督に抜擢したのが女性監督のケイト・ショートランド。テレーサ・パーマー主演「ベルリン・シンドローム」というサスペンス映画を撮った監督であります。海外にやってきたバックパッカーがその土地で見知らぬイケメン男性と恋に落ちた……まではいいのですが、その後バックパッカーが男に“監禁”され“絶対服従”を余儀なくされてしまう、そこからバックパッカーはなんとか脱出しようとする……男の捻くれた愛情というかヒジョーに怖い映画だったのを記憶しております。そんな「支配欲のある男からの解放」……それが今作「ブラック・ウィドウ」にも根っこのテーマになっていたんですね。

ロシアのスパイとして幼少期から育てられたナターシャの他にも“ウィドウ”というスパイ集団は世界中に数多存在していて、“彼女たち”を束ねているのが今作に登場する敵「レッドルーム」というスパイ養成施設。でその施設の長でウィドウたちを裏でぜーんぶ操っているのがドレイコフという“男”なんであります。コイツがまぁとにかく支配欲の強いヤツでまさに「女を我が物のように支配するサイテーなオヤジ」という文字起こしただけでもヘドが出る!!そして彼はウィドウたちを使い世界をも操ろうと企んでいた……ナターシャは世界を救うためかつて自分を支配していたドレイコフに再び戦いを挑むという筋書き。そしてかつての自分と同じように徹底的に支配され尽くされた後輩ウィドウたちをも救う為に……いやー実にゲンダイらしい話ではありませんか。今作はそんな「征服からの解放」が根底にあり、これまたこれまでのマーベルにはなかったような話だな、と感じましたね。そしてその主役にナターシャが選ばれた……もう何度もシリーズで見ているハズなのに、これまで我々に見せてこなかったプライベートな交友録にちょっとブレイクタイム中のナターシャ…?なんというかとっても新鮮?な姿が拝めてしまうんですねー。
代わってアクションは相変わらずデーハー……シリーズで既に何度か“人間をやめている”動きを披露しているナターシャにとってパラシュートなしで地上何千メートルから落下して助かる“なんてことないアクション”も華麗にキメており……そんなのCGでなんとでも出来てしまいますがソレ以外の肉弾戦、無論スカヨハやピュー自身もカラダの張ったアクションを披露してくれておりますが、今作では沢山のスタントウーマン”がご出演しているのも特徴かもしれません。これほどまでスタントウーマンが活躍しているアクション映画も実はそうそうないかもしれませんよ!?前に「スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち」というドキュメンタリーを見たばっかなのでその辺りもかなり注視して見ておりました。
■「オレはかつてキャップと闘ったことがある!!(脳内で)」VS技の匠
本作でついに登場、ナターシャの妹、そして“もうひとりのブラックウィドウ”として原作でも人気のエレーナ・ブノアがついにスクリーンデビュー!!……演じるのはカレシと念願叶って別れられて嬉し泣が止まらない「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー。そのピューが劇中姉のナターシャに口笛でピュー……あスミマセンはじめはナターシャとガチンコ姉妹対決しちゃいますがその後はナターシャと共にドレイコフの野望を打ちのめす手助けをする実は姉想いの、でもちょっと下品でだらしない?しかし今作で既に人気者になること間違いなしの愛嬌のある愛されキャラの素質を持ってんだよなー。

そしてナターシャとエレーナの“両親”が登場するのも気になるところでございますよねッ!!知らない人からすれば「誰だこの小汚いオッサンは」と言われてしまいそうな姉妹たちの“かつての父”であった?デヴィッド・ハーバー!!!!いや〜ついにMCUに参戦ですか。売れたな〜!!思えばこれまで主演作がなく助演ばかりで「イコライザー」ではデンゼルワシントンに酷い拷問を受けるなどなかなか活躍の場がなかった彼を一躍スターダムにのし上げた出世作「ストレンジャー・シングス」のホッパー署長役で40代にしてようやく遅咲きシンデレラならぬ遅咲きオッサンとして近年では唐辛子かお前ってくらい真っ赤になったリヴート版「ヘルボーイ」で主演を張るなど精力的に活躍されている、日本でも「ストシン」ファンからは鍛え上げられた肉体よりあの“ポテサラみたいな体格が愛くるしい”などとおっさんファンにはたまらないんだといないんだとか
そんな彼が「ストシン」season3でソ連に拉致されたのちスーパーソルジャー計画に参加させられた線が濃厚すぎるまたしても“赤いキャプテンアメリカ”ならぬ「レッド・ガーディアン」というロシアの生んだスーパーソルジャーとして登場。コスチュームといい愛用武器が盾といい「キャプテンアメリカに並々ならぬライバル心を抱いたロシアの英雄」という設定といい……“自分語り”が大好きなナルシストで今は北極の刑務所でキャップと一戦交えた武勇伝をムショ中に広めている……「妄想に生きたヒーロー」。いやアンタがいた時代キャップまだ氷漬けでしたから〜!!残念〜!!
さらにかつて“母親だった”メリーナ役には私生活でもスパイの妻であるレイチェル・ワイズ!!いやー全然変わってないですねーこのお方は。「ハムナプトラ2」で急に化粧が濃くなってから全然変わっていないじゃないですかエェ!?イムホテップの化粧水でも使ってんのか……スカヨハと同じサイズのコスチュームもなんなり着こなしちゃってます。今回この4人が「家族」として登場するわけですが、ナターシャにとっての「家族」はアベンジャーズだけ……だと思っていたんですけどね、そこには彼女の複雑な家庭内事情があったわけです。詳しくは書きませんがそれがどんなカタチであれ、しかし間違いなく「そこに愛はあった」と大地真央さんも納得の感動を呼ぶ展開があるわけですよ!!

ほかにも「インクレディブルなハルク」からロス少佐を地味に演じ続けている名優ウィリアム・ハートも登場。この時はまだ“逃亡犯”ナターシャを負い続けていた模様。さらにナターシャの幼少期を演じるな、なんだこの妖精さんはあああー!?なエヴァー・アンダーソン……母はあの「モンハン」女優ミラ・ジョヴォジョヴォジョヴォヴィッチ…!!だったなんて知らなかったよアンダーソンくん
そして今作のヴィラン、タスクマスター!!!アメコミでは有名なヴィランでPS4のゲームでも出てきますし彼の単独漫画が日本でも翻訳されているくらいには日本のアメコミ界ではワリとメジャーなヤツかもしれません!原作ではガイコツマスクに白フードですが今作ではモトクロスバイクのメットみたいなの被っちゃってだいぶ見た目が変わってますね。ただフードしているのと「スーパーヒーローの動きを完コピできる」ヒーロー泣かせの能力を持つという設定は流石に継承されていて一安心でありました。さてさて気になるのはその「素顔」ですよね…??一体誰が演じているのか、キャスト検索でもモロバレしちゃっているのでお気をつけ下さいッ!!
【感想(ネタバレ)】

ニドラン(♀)以来の衝撃
しかも中身オルガ・キュリレンコじゃん!!!これまで数々のスパイ映画でご活躍していたキュルレンコがタスクマスター……いやーマーベルさんエイシェントワン並の“大胆変更”ですねー。特にタスクマスターって結構人気なヴィランなんですよ。だからこその今回のこの改変にかなり驚かされたと言うか(まぁ毎度驚かされるサプライズは恒例行事だけれども)公開後ツイッターのトレンドに急に「キルモンガー」って出てきた時は真っ先に「ネタバレ食らったあああああああ!!!!」とスマホをぶん投げようかと思いましたよ!?(あのツイートは一体なんだったんだ…)
でタスクマスターが“彼女”になること自体には、個人的には別に何も思わないんですよね。ただ今回「スーパーヒーローのワザを完コピできる」という能力がイマイチ伝わりづらかったかな〜、いやあまり戦闘シーンで生かされていないように思えたんですよ。

今作でスクリーンデビューすると知った時「ナターシャにはこれ以上ないマッチングだな」と感じたのです。あのキャップにブラックパンサー、ホークアイにスパイダーマン等数多のヒーローたちと共に戦ったことのあるナターシャだからこそ?彼らのワザを完コピしているタスクマスター相手に勝機を見いだせるといいますか、アベンジャーズの仲間たちを誰よりも人一倍観察し、そして「家族」として大切にしているからこそ「彼らの“弱点”」を知っているワケじゃあないですか?そんなナターシャの経験がこのタスクマスター戦で存分に発揮する…のかと思いきや「ナターシャじゃなきゃ勝てない」感があまりない。実際コイツそんなに強かったのか?さえビミョー…。
レッドガーディアンとも一戦交えますが、ここでも例えば本当は“一度も戦ったことのない”キャップとの“疑似戦”のようなものじゃないですか?圧倒的なキャップとの力の差を見せつけられ己はライバルにも満たしていなかった……と絶句するもよし、あるいはもし研究熱心なパパだったらキャップのワザをすぐ見抜いて逆転するとか……そういった描き方も出来たはず。そこがなんか惜しいんですよね。
MUCお馴染みの“イースターエッグ”今作は……私もすべて把握しているわけじゃありませんが一番わかりやすいのは「インフィニティ・ウォー」でナターシャが着ていたベストが実はエレーナのものだった……まぁあと付けだけどねッ!!金髪にしたのもエレーナの影響なのかな?なんて思ったりラジバンダリ

「今まで家族いないと思ったら2つも持ってたわ(笑)」いやー生涯孤独だとばかり思っていたナターシャさん、最後は良かったですよね〜。このあと帰らぬ人となるのはわかっているのに“もう一つの家族を修正”しにジェット機に向かう後ろ姿の、希望に満ち溢れた光景!?今作でまず一つ目の家族の修正に成功した、その“自信”が?アベンジャーズというもう一つの家族を取り戻す原動力になっていた!!……いやー感動的じゃあありませんか!!……まぁあと付けだけどねッ!!
でENDロール後のお楽しみ映像〜。今回は「ホークアイ、命狙われちゃうってばよ」の回でしたか……そのホークアイ単独ドラマでフローレンス・ピューの出演が確定済みとのことで、これは確実にホークアイVSエレーナ戦が確定しちゃいました。まぁホークアイも可哀想っちゃあ可哀想ですがエレーナだって仇討ちの為だし……今作がスカヨハが演じる最後のブラックウィドウというわけなんですが、既にスカヨハ不在の今作の“続編”構想もあるようで…?個人的にはエレーナが“2代目ブラックウィドウに就任”する続編でもう決まりなんじゃないかと踏んでいるのですが(その前に別の作品で彼女を描く可能性はある)パパママもまだ死んでませんからね?どこかのタイミングでシレーっとまた登場するかもしれませんし??「シャンチー」でアボミネーションがシレーっと登場するわけですからありえなくない話ですよね。あードラマ版もどんどん配信されてるし「Dr.ストレンジ」続編は「ワンダビジョン」鑑賞が必須とかエリザベス・オルセンが公言しちゃってるしもぉ〜!ますますディズニー加入すべきじゃ〜ん!!(泣)




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