プロミシング・ヤング・ウーマン(2020)
- ラーチャえだまめ

- 2021年7月25日
- 読了時間: 7分

【原題】Promising Young Woman
【監督】エメラルド・フェネル
【出演】キャリー・マリガン ボー・バーナム アリソン・ブリーほか
【あらすじ】
明るい未来が約束されていると思われていたものの、理解しがたい事件によってその道を絶たれてしまったキャシー(キャリー・マリガン)。以来、平凡な生活を送っているように思えた彼女だったが、夜になるといつもどこかへと出かけていた。彼女の謎めいた行動の裏側には、外見からは想像のできない別の顔が見え隠れしていた。(Yahoo!映画より)
【感想(ネタバレなし)】

『ここジョーカーっぽい。』
どーもどーもラーチャえだまめです。早速ですが本日はコチラの映画を拝見させて頂きました
【プロミシング・ヤング・ウーマン】…!!!本年度アカデミー賞に5部門ノミネート、既にアメリカで高い評価を得ているってんだから聞き捨てならない今日この頃……気になっていた映画なんでございますが、あの永遠の童顔女優代表キャリー・マリガン氏がついにきゃりーぱみゅぱみゅみたいなゴスロリナース姿でこの世にはびこる金と伸縮自在な如意棒次第で女はどーとでも操れると鼻高々にショットバーで自慢気に話す“女性軽視”なおチ◯ポコ野郎のその大事な大事なぱおーんをチェーンソーか何かでゲラゲラ笑いながら“施術”するようなゴア描写満載のポップな顔したサイコパスっぽい“痛快復讐ガールズエンターテイメント!?”みたいなブラックコメディ色の強い映画なのかな〜なんて勝手に思っていたのですが
これがまたまたどーして思っていた映画と“違う違うそうじゃない”といいますか、いやいや既に鑑賞したそこの皆さん

「これを見てムカつかない人なんてこの地球上にいるんですか?」
くらいには言わせて欲しいつい先日オリンピックの作曲家がいじめ問題で辞任したとか世間を騒がしておりますが、まさにわかっていても知らないフリして“ポップな見た目に騙されて”見に行って下さいそして「クライマックスでガツンとムジョルアで頭を殴られたような衝撃」を是非とも味わって欲しい

最高のク◯ったれ映画(最高の褒め言葉)
だったんですね〜。
■この世の全ての「こうあるべき」に縛られた女性たちへ……
夜な夜なバーで酔っ払ってはその場に居合わせたMENから「家まで送ろうか?」と言われ回鍋肉並にホイホイ着いてきて気がついたら相手の自宅前まで来ててそのまま「一杯やろう」と家に誘われた挙げ句にその場でお股を許してしまう“テイクアウト女”の「フリ」してまんまと男を逆に騙し怒りの鉄槌を下す日々を送るキャシー。演じるは最近クリスティーナ・リッチと姉妹にしか見えなくなってきた「華麗なるギャッツビー」「ドライブ」などこれまで数々の作品に出演してきたキャリー・マリガン。「シェイム」で俗に言う「メンヘラ」女など華やかな役からボロボロな役まで多彩な演技力を見せるキャリーですが、今作で演じるは「アラサー」ですけど何か?的な年齢に臆することなくマッキンキンのアタマにキャピキャピなキャッフェのギャルギャルな店員としての昼顔から?夜はワンナイトラブをされにスキだらけな格好で男を待ち侘びる……彼女だから出来るんですよ皆さん!!相手はハリウッド女優アナタが真似したら警察沙汰になっ

なぜキャシーはそんなことをしているのか……(次の項目で話します)そんな「イタイ。」のは見た目だけではありません現在実家暮らしのキャシー、家賃代にも満たないバイト代だけでも生活費かからないからヨユー♪そんな親からは「あんたいつまでココにいるつもりだい!!ちゃんとした定職にもつかずに!!」と言われる日始末……。「一人暮らしは贅沢」とまで言わしめたボンビージャパンとは違いアメリカではルームシェアしてでも一度は親元を離れ自立しなければならない、という「固定概念」的なのが強いのかもしれませんね。しかしキャシーはそんなこと気にも止めません。親が友人が世間の“価値観”なんて彼女に言わせれば「そんな固定概念ク◯くらえ」くらいにしか思っていない。ここに彼女の底しれぬ“強さ”というか流行りにのって一人焼肉したあとにインスタに「一人焼肉なう♪」とかアップするカマチョブームが到来する遥か前から孤独のグルメごっこに精を出していた並の精神力というか「周りの目なんて気にしない」我道を行くスタイルを徹底的に貫く姿勢……キャシーはその究極形態でありTVコメンテイターより“ご意見番”なウーマンなのです。
だから見ていて非常に爽快感がある。ムカつくママさんにご近所付き合いや子どもたちの立場も考え「NO」と言えない?会社をクビになりたくないから上司のセクハラにも「NO」と言えない?しかしキャシーはきっぱりと「NO」と言う。そこに彼女のカッコよさ、ある種の憧れのようなものを感じてしまう。この魅力的なキャシーという女性を生み出したのはイングラインドの女優で今作で監督デビューしたエメラルド・フェネル。本作は完全に“女性目線”で作られていてキャリー・マリガンのほかあのマーゴット・ロビーも本作に惚れ込み制作に名乗りを挙げております。
■「またやるヤツ」は一定数いる。懲らしめなければ変わらない人は必ず……
元は将来を約束された医大生だったキャシー。まさに「前途有望な若い女(プロミシング・ヤング・ウーマン)」だった。それが彼女の人生がある事件をきっかけに変わってしまう。それは彼女に「一生癒えぬ怒りと苦しみ」を生み、そしてそれがいつしか彼女の「生きる糧」となってしまった……。そしてその怒りの対象となっているのが“「尻軽」と書いて「女」と呼ぶ”ク◯サイテーな男たち、だったわけなんですね。キャシーはまさに読んで字の如く「復讐に生きる女」……これだけ聞くとなんだかリュック・ベッソンが絡んできそうな爽快感アリストテレスな“よくある復讐もの”の一つくらいに思えますでしょう?

いや、まぁ半分はあってます。しかしもう半分は少し違うかな?「アクションは皆無」です。キャシーが拷問器具や暗殺道具を多様し男共に死をもたらす、そんな映画を期待していると「え、意外となんか地味だな。。。。」という印象を受けるかもしれません。それよりもっと、、、、もっとこう「生々しい」“ギリギリ警察沙汰にならないレベルで非常に悪質かつ陰険な復讐劇”と言ったらいいのか、決して「視覚的な過激さが売りの復讐ものではない」という所がポイントなんですよね。そして彼女の持つ「怒り」は男だけに向けられたものでもなかったんですよねー。性別問わず、とはまさにこのこと。この映画は彼女の「怒り」を通して我々観客にこの世のありとあらゆる偏見、差別、道徳心、そしてニンゲンが地球上で「最も“矛盾”した」腐りきった生命体であることを知らしめてくれる、そんな映画なのですよ!?
皆さんにお聞きしてもよろしいでしょうか。皆さんの周りには「どうしようもないク◯野郎」だと思う人がどれほどいらっしゃいますか?いやいやそんな人一人もいませんよ、という方もいるでしょう。しかし過去に、いやこれからアナタの前に現れるかもしれない、いやいや今アナタが乗っている電車の横に座っている人が、もしかしたら“あなたにとってそうなる人”かもしれません。感情だけでこの映画の伝えたいこと?を表現するなら

もうどーしようもねえんですわ。「人はそう変わらない」私だって14歳から成長してませんから?短気ですぐ顔に出るからやめてねとか人に言われたって無理ですもん!!性格腐ってますか?ええ腐ってますよ!!上等じゃあああああ!!誇れるような生き方もしてねえしするつもりもねえし!?悪いことも今まで一度もしたことないって?成人してから母校の前の交差点で友人と深夜にバトミントンして警察に補導されましたけど!?無理ですよ無理!!無理無理無理無理無理無理……
キャシーはそんな「ク◯は一生ク◯のままである」というのを証明したかった。そして我々はその“証人”に選ばれたのです。ヒジョーに胸糞悪い映画ですねー。でも逆に言えば?それだけマインドを突き動かされるほど見入ってしまった、我々観客を惹きつける魅力が本作にある、ということも証明されてしまったということか…!!!いやー予想の遙か斜め45度をいく衝撃作であります。見た目に反して精神的に重たくハード……しかし医大生時代の元クラスメートとの“遅すぎた春物語”なんてのも同時に用意されているので、そこはちょっぴりハッピー気分でキャシーを応援したくな……




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