top of page

ペット・セメタリー(2019)


ree

【原題】Pet Sematary

【監督】ケヴィン・コルシュ デニス・ウィドマイヤー

【出演】ジェイソン・クラーク エイミー・サイメッツ ジョン・リスゴーほか

【あらすじ】

妻子と田舎に引っ越してきた医師のルイス(ジェイソン・クラーク)は、新居の裏に動物用の墓地があることに気づく。新天地での生活にも慣れてきたころ、飼っていた猫が事故で死んでしまう。ルイスは墓地の向こうにある森の奥深くに猫を埋葬するが、その翌日に凶暴化した猫が現れる。やがて彼は、この場所が先住民によって語り伝えられてきた秘密の森だと知る。ある日、娘のエリー(ジェテ・ローレンス)が交通事故で命を落とす。(Yahoo!映画より)




【感想(ネタバレなし)】
ree

『ペット“セメタリー”なのか“セマタリー”なのか問題』





未だ映画ファンの間で決着のつかないこの論争!?が終焉する前に昨今ホラー界を多いに盛り上げてくれた「イット」「ドクタースリープ」に続く世界的ホラー作家“スティーブン・キング”による“ハリウッド侵略作戦”はまだまだ終わらなさそうです【ペット・セメタリー】!!!


ree

ちょっとここで一旦“未体験”は置いといて……いやー昨年キング原作の実写映画の“リメイク祭り”で大いにワカンダ、あいやワイた映画界でありましたがその勢いに便乗……追随するカタチでまたしても墓場から引っ張り出してきたような1989年に制作されたホラー映画がリメイクされてしまいました、ちなみに原作の日本語版のタイトルが「ペット“セマタリー”」に対して映画版は「ペット“セメタリー”」とビミョーにタイトルが違う……これは作品内に登場する「ペットセメタリー(ペットの墓場)」の表札をキッズたちが書いた時スペルミスでメがマになったと、これを小説版ではそのまま“セマタリー”として表記しています。まぁそんなことはどーでもいいとして去年に「“ジョン・コナー出現”」というリーク情報を聞きつけ「ペット・セメタリー2」が突如ネット配信された優遇なのか不遇なのかよくわからないえーっとオリジナル版の1作目は確かHuluで一回観たんだよなー、けど全然覚えていないんだよな……


















ree

あ、脳みそ夫か。







どんな覚え方だよ!!でもこれぐらいしかホントに記憶にない……「“愛する者”を再び生き返らせる」……という禁じ手に走ってしまった良きパパの人生が崩壊していく、わりかし救いのない話だったような気も致しますが今回リメイクということで、まぁリメイクでしょ?しょーじき最近のリメイクものって「別にリメイクする必要あった?」って作品多いじゃないですか?特にホラー映画なんてのはなぁ……SNSでちょっと話題になるくらいでもう充分、みたいな映画多いから……あまり期待しないで観たのですが結論から言うと
















ree

“初見”にはワリと面白い映画なのではないか!?






89年版のオリジンを観たことがない人には「え、そんなに話題になってないけど意外と面白いかも!?」という感想を持てるかもしれない、そんな映画だと思いますねー。





アメリカにある小さな街に越してきた4人家族……ってあらすじからしてもうアウトおおおおおおお!?越してきた家の敷地内にある不気味なペット専用墓地の存在、そこについて何やら知っていそうなお隣さん、そして家の前の道路はタンクローリー車がビュンビュン飛ばしまくる危険地帯……キング作品によくある“なんてことなさそうな小さな田舎町に実はヤバそうな力が眠ってた系”をまさに全速前進中の“ホラー映画あるある”ネタに尽きることのない越してきた夫婦がホラー映画ファンなら泣いて喜ぶようなシチュエーションでも過去に“トラウマ”を抱えた妻のレイチェルと新宿美容外科の方じゃないドクターである夫ルイスの「常に“死”と隣わせな仕事」が災いしてか、越してから秒で奇妙な現状に悩まれてしまいます。そうそう思い出したわ、この作品では「死」が大きなテーマなのです。でもって墓場の能力なのか、それとも街そのものに不思議なパワーが宿っているのかは定かではありませんが数々の「心霊現象」と墓場との直接的な因果関係がないんですよね。はじめは「え、なんでゴースト出てくるん?」って思ったのですが、本作ではゴーストを“原因”ではなく“「死」を象徴する意味”で登場させているに過ぎない、だから本作のゴーストは“出てくるだけ”に留まっている………おっと時を戻そう


ree

ある日飼い猫が事故で死んでしまった事が“災いのはじまり”というかそれまでひた隠しにしていた墓地のさらに先にある“封鎖エリア”に猫の死骸を持ったルイスを連れていくお隣さんのジャド。このおっさんオリジナル版だと“いかにも”な風貌なんだけど実は普通に良い人っていう衝撃(笑)まぁでもそんな“親切心”が全てのはじまりですからね。その場所に猫を埋葬した翌日、まだ柴咲コウさえ歌ってないのに死んだはずの猫が“蘇って”きた!!しかしその猫は以前より毛並みも悪くそしてなにより“凶暴”さが増していて…。“クロネコが横切ると不吉”はこっから来ているとかいないとか……(たぶん嘘笑)



夫のルイスを演じるは帝国軍のリーダーでありアポロ1号のクルーでもあるちょっとコワモt、ジェイソン・クラーク。妻レイチェルには「エイリアン:コヴェナント」でパニクって壮絶にドジッちゃったエイミー・サイメッツ、そして隣人のジャドには過去に「ハリーとヘンダスン一家」でビッグフットを自宅に飼いならしていた名優ジョン・リスゴーという布陣でございます。



内容はオリジナル版を観た人には正直なところ“焼き直し感”は歪めず“事故死するのが長男の方じゃなくて長女の方”若干の違いはあるものの、それ以外はシーンも含めやってることはほぼ一緒……ラストはオリジナルより“もっと悲惨さが増した”ような気も致しますが、ただキング原作のストーリーはやっぱり面白く、そういった“地盤”がしっかりしているからこそリメイクであっても作品としての“出来は非常に良い”のでだから初見さんにはオヌヌメ出来る映画だと思いますねッ!








【感想(ネタバレ)】





この映画の根底にあるのは「愛する者を失った計り知れない哀しみ」のあまり「死んだ者を生き返らせる」という“禁じ手”を使ってしまう、という人間による
















ree

“命”の冒涜






これを描いている所ですよね。それってエゴじゃないですか?“死”という運命に逆らい自分が再び死者に会いたいという想い、そこには“死者の想い”は一切考慮されておりません「私を蘇らせないで」死に際レイチェルが放った一言。死者は必ずしも“生き返りたい”と願うわけではないのです。ましてや生き返った“それ”は生前のその人ではなく凶暴性が増した“愛する者の姿をした怪物”だったら尚の事じゃないですか。



それを“生き返らせたい”という一方的で“身勝手”な感情に突き動かされてしまう、いやなんと“愚か”なことか。それでも娘に「生と死」を学ばせようとした親の取る行動ですか?でもそのお気持ちも“痛いほどわかる”、特に過去に誰かを失った経験のある人ならルイスの取った行動は理解出来るかもしれない。私だってもしあんな墓が目の前にあったとしたらルイスのような行動は取らない、とは必ずしも言える自身が全くありません。“人間”なら皆そうなのではないか。そして一度生き返った娘を手に負えないからって結局また殺す“二度娘を殺す”というあまりに身勝手過ぎる選択をするルイス















ree

まさにコレ。






ルイスは生き返らせたその“代償”までは考えられなかった、そこがルイス、いや人間が生命体としてある意味他の生命体と比べて劣っているところなのではないか。キングはそんな人間の弱さ、脆さ、ダメな部分を描くのが本当に上手いですよね。


ree

また「ペット・セメタリー」ってホラー映画で珍しい“悪役が出てこない”映画じゃなですか?ゆえに誰も責められないもどかしさというか、“自滅”というカタチで滅んでいくルイスたちがなんとも観ていて痛々しく、虚しさが募るといいますか‥…。それにしても死者って案外ベラベラ喋るのね(笑)オリジナル版だとまだ幼い長男の方だったから“リアルチャキ夫”みたいにニコニコしながら包丁片手に襲い掛かってきてかなりホラーだった(笑)OPに出てきた覆面の子たちは一体“何”を埋めていたんですかねぇ…。あそもそも彼らも死んでt…



脳みそ夫が無駄にグロかったりレイチェルが“自分が殺した”と罪に悩まされる死んだ姉のおぞましい姿などホラー描写もございますが、私の中ではこのホラー映画は“考えさせられる部類”にあって「ミスト」みたいに人間のダメな部分をあぶり出したような、そんな映画だと思っていますってそれキング作品全てに言えることだっけか笑






コメント


bottom of page