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ペーパーハウス/霊少女(1988)


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【原題】Paperhouse

【監督】バーナード・ローズ

【出演】シャーロット・バーク ベン・クロス グレン・ヘドリーほか

【あらすじ】

10歳の病気の少女・アンナは、ある日画用紙に1軒の家を描く。すると、彼女の目の前に絵と全く同じ造りの家が現れる。アンナは画用紙に次々と絵を描き込んでいくが…。












【感想】
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『クラスメイトが悪さして教室から退出させられたあとに「ウェ〜イ」って言いながら立ち上がって手をパチパチやるヤツ大人になっても絶対空気読めない説』





どーもどーも綺麗なお姉さんのエクササイズ動画を直視出来ませんラーチャえだまめです。本日はちょっくらいつもとはテイストを変えて……ある日外回りの昼休み中にふと入ったD・I・S・K……ディスクユニオンの中古映画コーナーの棚を舐め回すように凝視していたらナニやら掘り出し物っぽい映画を見つけまして?便意を催してきたので一旦トイレに駆け寄りその間スマホでレビューを拝見したらナニやらすこぶる評価が高い。「隠れた名作」とまで書かれているのを見て思わずレジに向かってしまいましたあ、ケツはちゃんと拭いてから行きましたのでご安心を。そんなワケで本日ご紹介致しますのはコチラ



【ペーパーハウス/霊少女】!!!……スペインの強盗団とは一切関係がない「霊少女」なんて物騒な副題までついちゃってこれは知らないホラー映画でしたね〜。監督は「アンナ・カレーニナ」に「サムライマラソン」……日本でも実は馴染みのあるイギリスを代表する監督バーナード・ローズ。ホラーファンの皆さまには92年に流行ったハチミツ太郎こと「キャンディマン」の監督が有名でしょうか??そんなローズ監督がその「キャンディマン」より前に撮られたというコチラの映画、なんだかポスターを見る限りおどろおどろしい配色の「THEホラー映画」と言った感じなのですが、、、、、


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「孤独な少女が迷い込む摩訶不思議世界」……「これがパズルホラーだ!!」とわりと意味不明な「ガバリン」の宣伝文句よりはわかりやすいかもしれない、ある一人の少女が自ら画用紙に描いた絵が夢の中で具現化して?しかし次第にその夢と現実の境目のロスト、さらには気に食わないからと一度描いた絵をグチャグチャグチャ〜と黒く塗りつぶして紙もクシャクシャしてゴミ箱にポ〜イ!……なんてしたら?今度は「悪夢」になってうなされてしまう!?あ、でも皆さんご安心下さいまし「全然ホラーじゃない。」一瞬顔が「スンッ!」ってドアップになるくらいでジャンルをホラーの括りにしといてなんですが「ホラー映画」だと思って見るとかなり拍子抜けしてしまうと言いますかなんと言いますかそれ以上に心配なのが

















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え、この子マジで頭大丈夫?






描いた世界が“現実”になるファンタジー要素&素晴らしきロケーション






まぁ端的に言ってしまえば





















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「インフルかコロナにかかって高熱でうなされた子どもが見る夢映画」








と言ったところでしょうか??




ませてんなぁ〜てゆーか全・然可愛くねぇなぁ〜本作が初主演作だとは思えぬ多量のセリフを噛まずに炸裂しまくる愛想のない少女アンナ……まぁ要は通称:尾崎豊状態ならぬ「反抗期」というヤツなんでありますよぉ〜。理不尽な罰則を受けセンコウにムカムカ(あれは俺もブチギレます)誕生日に乗馬のプレゼントされるはずが“仮病”で学校を休んだことが判明するなり学校に送り返す母親にムカムカ……「オトナ」への抵抗?えまだ小4くらいの年頃ですよね?女子ってこんな早いんか。一緒につるむ女友達も「キスは掃除機に吸われる感じ」おいスタッフー!!それはお前のオトコのキスがドヘタなだけだろぉー!!!



と思ったら原作は有名なキャサリン・ストーの「マリアンヌの夢」という児童文学らしい。その台詞が原作にも登場するかは定かではありませんがまぁ「児童文学」ですからね?そんな難しい話じゃ……何の因果か突然猛烈な睡魔に襲われ学校の廊下だろうがトンネルの中だろうがその場でバタンとグッナイ……え、そういう病気ありますよね?結局アンナがなぜ突然眠ってしまうのか最後まで判明することはない


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目覚めるとそこは広大な大地。そして目の前には巨大なハウス。それは紛れもないアンナが現実世界で画用紙に描いたハウスであった…。よく子どもが描いた絵だとか言って「いやいくらなんでもそんな絵描かねえだろ」っていうことあるじゃん?今作では違います本当に主演の子役が描いているのですねー。これは地味に嬉しかったですね「嘘っぽくない」。



そして明くる日このハウスの窓から外を不機嫌そうに眺めるオトコの子を描いた、すると次の夢でもハウスの中にオトコの子の姿が___アンナは訪ねた「アナタはだーれ?」オトコの子は答えた「我が名はマーク」___パッ



そこから始まる少女と少年の甘酸っぱいラプソディー?ねぇ全然ホラーじゃないでしょう?途中なぜだかアンナの父親がのっぺらぼうのシリアルキラーになってアンナたちに襲いかかってくるシーンくらいですかねぇ。別にそこまでアンナと私生活で関係が悪化しているわけじゃあないんですけどねー?これもアンナの「オトナ」への抵抗かなにかザックリとしたイメージでパパさん“敵”にされちゃったんですかねーご愁傷様です


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火薬?に着火してシュババババーン!!って家が大爆発するシーンは見ものでした。ロケーションが非常に良いといいますか、丘のシーンからカメラがぐーんと上がっていって先の方に家がそびえるシーンとかですね、なんというか「絵になる」シーンが非常に多いんですよね。




















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あつもりでこれと同じ色の灯台建てたっけ






子供向けでR指定?&サントラが神がかってる件





歴としたFF、つまり「フワッとしたファンタジー」映画なんでございます。いや「ダークファンタジー」と言えば一番ピッタリかもしれません。美しい広大なヨーロピアンな風景に感動さえ覚えてしまうと言うか?「子役」×「ダークファンタジー」×「ヨーロッパ」と聞いてデル・トロかそこらの映画を想像するかもしれませんが、あそこまで救いのない後味最悪な映画ではありませんのでご安心ください。ただ精神年齢四歳児の私個人的な感想ですが



















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キッズが主役なのにキッズには難しい内容の映画








だなーという印象を持ちました。いや子どもが見て楽しめない、というわけではなくて。ローズ監督は「エルム街の悪夢」みたいに「怖いもの見たさに近寄ってくる少年少女たち」へ向けて本作を撮ったみたいですが、子どもに向けられた映画にしてはちょっと荷が重い話というか、詳細は伏せますがこのアンナという少女が、はじめはク◯つまらない日常、口うるさいオトナたちからの「現実逃避」の手段として、夢の中にある自分の描いた絵の世界にのめり込んで行くのですが最終的に「現実に向き合って」映画の幕が降りるのです。アンナ自身がオトナとして一皮むけて終わる、成長物語。ただそれがどーも子どもが理解できるくらいまでハードルを下げるとかそーゆーことを一切していなくって、補助輪つけずにいきなり「カラダで覚えろ」って自転車に乗せるくらいに実は世の中の厳しさを少年少女に突きつけているんじゃないかって見えてしまったんですよね。むしろオトナになってしまったアダルトたちの方がアンナの成長した姿を見て思わず涙してしまうというか




















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で曲がジマーってわけ








今やハリウッドサントラ界に無くてはならない神曲をスクリーンに生み出続けている世界のハンス・ジマー氏が!?今作でサントラを担当したとは!!いやー彼の手にかかれば何故かエレキギターも加わりアルマゲドンっぽい壮大なENDで締めくくられてしまいます。本作のイメージは相当良いものになることでしょう??先に言ったロケーションの良さといいサントラの良さといい一度見たら「記憶に残る」、そんな映画なのではないでしょうか。



現に日本では劇場未公開作でありながら熱狂的なファンがいるみたいですし?89年国際ファンタスティック映画祭ではグランプリを受賞していることからも各界からは非常に評価された作品であるものの「どの層に向けて作られた映画なのか」が曖昧だったのかイマイチ世間でのウケは悪く興行的には大ゴケ、イギリスでは一部シーンが児童虐待に当たると見なされR15指定を受けてしまう(これじゃ子どもが見れないじゃないか!!とローズ監督はブチギレたという)何から何まで異色の映画、おそらく人に勧められるか偶然手に取ることがなければ見る機会すら回ってこなさそうな?こーゆー映画を「隠れた〜」と言うのかもしれませんねぇー。




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