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ボーダー 二つの世界(2018)


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【原題】Gräns

【監督】アリ・アッバシ

【出演】エヴァ・メランデル エーロ・ミロノフ ヨルゲン・トーソンほか

【あらすじ】

違法なものを持つ人をかぎ分けることができる税関職員のティーナ(エヴァ・メランデル)は、ある日、勤務中に風変わりな旅行者のヴォーレと出会う。彼を見て本能的に何かを感じたティーナは、後日自宅に招いて離れを宿泊先として貸し出す。ティーナはヴォーレのことを徐々に好きになるが、彼はティーナの出生の秘密に関わっていた。(Yahoo!映画より)








【感想(ネタバレなし)】

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『結論:エスカルゴは美味しい』





どーもどーも男同士でゴンチャに並んで変な目で見られるのは偏見だと思いますラーチャえだまめです。今日紹介する映画はー?



後ろの席のカッポォがひっきりなしに「うわぁ…」「えぇ…」とか口走っててちょっと頼むから黙れよと思っていたのですがまさしくそれこそが我々一般ヒューマン代表が第一テイスティングで感じる素直な感想なのではないでしょうか、そしてそんな本作を観て一つでも“変”だと思う気持ちこそ














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「偏見。」





いかに人間の価値観が狭いか、勝手に“決めつける”ことの、実にそれが“愚か”な行為であるか、、、、、人間と言う“生き物”がまたなんとも恐ろしい存在だな〜、なんて思わせれる映画、今日紹介する映画はベニチオデルトロが無表情で銃乱射する映画?いやそれ「ボーダーライン」え殺人?それ「マーダー」犬飼う?それ「ブリーダー」「お前の皮をくれ」それ「ツールボックスマーダー」ハg、、、それ「トランスポーター」……




【ボーダー 二つの世界】!!いやーこれまた素晴ら素晴らしい作品に出会ってしまいました、いやでもアレですよ、まぁそー思う事は何ら間違いではありません。そのようにマインドコントロールされるよう設計されてますから(笑)私だって初め船着場の税関職員の“ティナ”を見て「オォ…今にも“お残しは許しませんでぇ!!”って言いそうな顔してる」なんていうインパクト大なキャラクターに恐れ小野小町してしまいました、しかも彼女には人の緊張感や焦り怒りと言った負の感情を“匂いで嗅ぎ分ける”という人知を超えた能力を持っているのですから。色眼鏡で見てしまいます。あ、コレはJINSですけど


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税関チェックで毎回クンカクンカされたらやましくなくても逆に緊張しちまうわ!?そこへ自分と見た目の似たヴォレという謎の男がやって来て……この“ヴォレ”という男もまた常に「にたぁ。」って不敵な笑みを浮かべるハガレンのグラトニーみたいな見るからに怪しい……少なくともバイキングでサーモンを皿を独り占めするような欲張り野郎なんですよ!!ただひっきりなしにティナの前に現れては何か“ティナの秘密”を知っているかのような素振りを見せるのであります。



ミステリー要素もありつつ全体的にゆーっくりと進んでいくので人によってはオネムーモードに突入してしまうかもしれません。しかしいかに“見た目”で判断してしまうのか、その人間性を問われるような、そしてそんな“圧力”からの「開放。」気持ちが良いほどの、実に清々しいこと!!















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「人と違うのは、人より優れているから。」





そのポテンシャル、素晴らしいではありませぬか。“同族”を求められるこの国も例外ではありません。少しでも他社との“違い”、それを逆に伸ばそう、ではなく“圧縮”させ同じ色に染めたがる。「周りと違う者は悪である」___あまりに極論過ぎる、ただそれが今いる社会。。。。。







【感想(ネタバレ)】





原作はクロエモレッツ主演でハリウッドリメイクもされた「ぼくのエリ」の原作者でもあるスウェーデン作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編小説らしいですね。「ぼくのエリ」では“歪んだ恋愛”をまだ幼いキッズ達に背をわせるという、なかなかブラックな作品でありますが北欧ファンタジーってなんであんなトゲトゲしいんだろうか…(笑)


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でもコレの一体どこがR18なんだろう、そー思ってずっと見ておりましたよ。虫を食べるから?性別が逆だから?男が子どもを産むから?股からタケノコの里、いやキノコの山か。いやいややっぱりタケノk



我々人間にしてみれば“異質”なものでも、彼らにとっては“それこそが普通”であり、長らくずっと人間社会で抑制されていたティナがヴォレとの出会いによって徐々に表情豊かに、生き生きと変わっていく。「自分は醜い。」そう思っていたティナ。いやそう“思わされていた”ティナ。幼い頃からきっとイジメられていただろう、その度に自らの感情を押し殺し感情を表に出さず内へ内へ殻に篭もるような性格になっていったのだろう。「自分は醜い。」しかしそれは“人間社会”という小さな小さな枠の中で感じていた事に過ぎない。ヴォレとの出会いによって、自分はそもそも人間ではない、ムーミン谷のムーニンだった事を知る。そして自分の知らない、人間社会の枠を超えた“外の世界”の存在を知り「そうか、元々違うのか。人と違って当然。ならもう自分は醜くない。蔑まれたり恥ずかしがる必要もない。」そう思えるようになったのは大きいですよね〜。なんでもかんでも枠に囚われ過ぎなんだよ、特に人間はああああああ!!


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特殊メイクがメチャクチャ凄いのですが、演じる女優さんの演技もまた凄かったですね〜!!!演じるのはスウェーデンの女優エヴァ・メランデル。素顔はとっても素敵な方で個人的にはつい先日見た「ジョーカー」のホアキンに似たような“なりきり”でずっと魅了されてしまいました。そして今まで自分の事を“騙して”いた親や“ヒモ”である恋人に怒りを向けるティナ。そうしてよーやくヴォレとも結ばれ新しい人生が待っている、そう思っていた矢先














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ゴムゴムのぉぉぉぉぉ!!!!……チャイルド!!!





ヴォレの本当の姿、それは“人間への復讐”。ヴォレは幼い頃に両親を人間に殺された事で人間の赤子を自ら産んだゴムチャイルドと“交換”し人間界を内側から破壊しようと密かに企んでいたのである。でもここでティナはヴォレの味方につくことはありませんでした。本作のテーマは「偏見」。つまりは“決めつけ”ることがいかに愚かであるか___それは即ち“人間=悪”と一塊に“決めつける”ヴィレも一緒なんですよね。ティナはそれをわかっていた。確かに人間は憎い、でも中には善良な者もいる。それを人間界で知ったティナは最後まで人間でも“トロール”でもない“ボーダー”の間を生きる道を選んだのではないか……。








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