top of page

マーベルズ(2023)


【原題】The Marvels

【監督】ニア・ダコスタ

【出演】ブリー・ラーソン テヨナ・パリス イマン・ヴェラーニほか

【あらすじ】

マーベル・コミックのヒーローたちが活躍する作品群「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、アベンジャーズ最強ともいわれる女性ヒーロー、キャプテン・マーベルを主役に描いた映画「キャプテン・マーベル」に続くシリーズ第2弾。キャプテン・マーベルが、アベンジャーズオタクな高校生ヒーローのミズ・マーベルと、宇宙ステーション「S.A.B.E.R.(セイバー)」に所属する敏腕エージェントのモニカ・ランボーとチームを結成する。(映画.COMより)




 
【感想(ネタバレなし)】

どうか落ち着いて、飲み込まれて下さい。』

 



どーもどーも今年の東京コミコンに行こうか迷い中のラーチャえだまめです。“コミコン”と言えばアメコミ、アメコミと言えば……回りくどいから早く言えよ



【マーベルズ】!!!MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)も33作目……年取ったなぁ(泣)そんな帰ってきたハマならぬ「銀河の番長」ことキャプテン・マーベル!!「エンド・ゲーム」でサノスの母船を軽く玉砕し「守っているのは地球だけじゃない」と言い放たれた地球人の皆さまの“癖”がウズウズベキスタンしたとかいないとか“宇宙のアネゴ”の活躍を描く単独作第二弾……の前にですよ














どちらさま?





 

ドラマ未視聴者“ハブり”がいよいよ本格化?





おおおおおおおーい!!!!「ドクター・ストレンジ2」で何のためらいもなくいきなりスカーレットウィッチが闇落ちした状態で登場して「???」となった“ドラマ未視聴者”様に今回「特大悲報」をお伝えしなくてはなりません……














「ドラマ勢」の“説明”ゼロ





何よりもまず一番衝撃的だったのがコレ。今回タイトルの通りマーベル“ズ”ということでキャプテン・マーベル=キャロル・ダンヴァースの他にポスターに思いっきり「主役です!」の顔で写る2人の新キャラ……モニカ・ランボー×ミズ・マーベル!!知ってます知ってます私はディズニープラスに魂を売った……あいや課金勢としてドラマを全部ではありませんが見ておりますので、今作に“何の戸惑いもなく”入り込めましたが…?ちなみにモニカ・ランボーとは1作目「キャプテン・マーベル」に登場したキャロルの親友マリアの娘で「ワンダビジョン」でなんやかんやあって超人になったオナゴ、一方ミズ・マーベル=カマラ・カーンに至っても「ミズ・マーベル」でアメコミオタのティーンがある日祖母の荷物から“バングル”を装着したことでなんやかんやあって超人n……その「なんやかんや」が知りたいんですよぉおお!!??___劇場で叫んでも無駄ですその辺りの“前情報”全部へし折られてますから〜!!残念〜!!!



確かに今回はMCUのどの作品よりも「ドラマ」との繋がり(ドラマのキャラが映画で主役張るんだから当然ちゃ当然)が強い作品だと“事前通知”くらいはされておりました、ただまさか彼女たちのバックストーリー(どうやって能力を得たのか等)の説明まで省くという、クモに噛まれる場面をすっ飛ばした「ホームカミング」流の「もう知ってるでしょ定期」の洗練を浴びせられるとは……しかも映画を知らんでも一般常識化しつつある蜘蛛男生誕祭とは違い、この2人に至っては失礼ながら日本ではドラマを見ていないと「この人たち誰?」状態に成りかねない程のマイナーキャラじゃないですか??故にせめてOPとかでサラッとお得意のカマラの描いたコミック調の絵でもって説明でもしてくれると思っておりました、これで105分の尺にギュッと収められたんだろうが、いよいよドラマ未視聴組を初めから乗船させる気すらないんだなと……



いやーマーベルスタジオも今回掛けに出たようですね。まぁ早い話がファンは課金しろやボケって話だと思うのですが(いや違う)






「入れ替わり」から始まるアクション×3人の関係





今作ではこの3人の“能力がシンクロ”してしまい、能力を発動する度にお互いの場所が“入れ替わって”しまうという??そういえば「ミズ・マーベル」のポストクレジットで突然カマラとキャロルが入れ替わってましたね。でこの3人の「入れ替わりアクション」が意外と手の込んだもので見応えあったんですね!次から次へと演者とカメラが切り替わりながら、ちゃんと“繋がり”のあるアクションを見せないといけないからかなり複雑なアクションやっているんです。でMCU的にそれが今まで“共闘”するシーンこそあれど、こんなアクション見たことない!!なものにちゃんとなっていたのが良かったですね。



でもってはじめは3人とも何がなんだかわからず戸惑ってグチャグチャなアクションなのが、徐々に“息の合った”アクションに進化していく所がまた良かったり……その上で3人の成長、というよりお互い見た目ではわからない“内面的”なものを理解していってわかり合っていく過程も見せている。例えば一番の主役なのにある意味“一番の謎”キャラでもあるキャロルが、自身の“万能キャラ”であるが故の苦悩を2人に赤裸々に共有して「キャプテン・マーベルだって人の子だよな」と親近感を抱いたり、そんなキャロルを“おばさん”呼ばわりするモニカはキャロルのヒミツを知ることで長年のわだかまりから開放され、そしてカマラは“憧れ”の雲の上の存在であるキャロルを“人”として見て接して感じるようになる……また私服姿のオフモードの3人がキャッキャする姿は「チャーリーズ・エンジェル」みたいだった(意識したかは知らんが)





今作は“ミュージカル”?





公開前から「今回はミュージカルシーンがある」と伝えられておりました、まさか主演の3人がいきなり「なんのフリもなく」その場で歌の寸劇はじめる……いやここでディズニー感じさせなくていいんだよ!?となるんじゃないかと不安でしたが……フタを開ければ「一部シーン」だったのでそこまで違和感はなく……今作がハリウッドデビューのパク・ソジュンのいる歌で会話する梨泰院の住人たちとのやりとり時のみ。しかし注目すべきは口パクですが「ブリー・ラーソンの生歌が聴ける」これはファンには嬉しい限りでは?そもそもブリーは過去にアーティストとして歌手活動もしていた時期があり今回何十年ぶりに彼女の歌が聴ける!!……あファンはそれよりパク・ソジュンの王様に目が釘付けか?またとあるシーンで「キャッツ」の名曲が流れるのですが……使い方がもう確信犯的というか「もろネタにしてる」ところが、悪いな〜MCU!!





今作のヴィランは?



年々数が増えるごとに「印象に残るヴィラン」が出にくいジレンマはありますが……今作のヴィラン、ダー・ベンもまさにそんな一人かもしれません??彼女は滅ぼされた自国の繁栄の為に尽くそうとする「完全なる悪ではない」ちょっと手荒な(惑星一つ滅ぼすくらいの)真似がたまにキズ程度の共感を呼ぶスタイルは多様性の時代への配慮キャラ化の一貫?故にヴィランの器にあらず、またその能力も……マーベルズが入れ替わりで手こずらなければ?割と圧勝されちゃうくらいには弱い。あー……色々文句言って……サー・セン。ちなみに演じるゾウイ・アシュトンはオレ様ロキ様ことトム・ヒドルストンの嫁さんで念願のヴィラン夫婦に!?





監督はリヴート版「キャンディマン」で注目された超新星





監督はリヴート版「キャンディマン」をヒットさせたニア・ダコスタ。その「キャンディマン」は昨今の白人警官による黒人銃殺事件をネタにしたり米の肌の色問題をオブラートに包まず割とストレートに作品に落とし込んだ印象があって。今作も何かそのような人種差別とか社会問題をテーマにした重い話……とかは全くなくてむしろ「何もかもを全て楽観視」するという180度違う内容に…!?天下のネズミー傘下に入ると人はこうもアイデンティティが豹変するのかハハッ……否上からの指示や制約はあったことでしょうその中で「ガールズファイト」に焦点を絞り、決して重く苦しい内容にはせず持ち前の、そうちょうど一昔前になった「アメコミ映画の軽さ×明るさ」を??今作で再び呼び戻してくれたと言っても過言ではない!?ある意味アメコミ映画のセオリー通りに調理してくれた感がとても見やすい!と高評価ポイントにする方も多いのではないでしょうか??その1話目から「違う違う見たいのはこんなんじゃない」と叩かれたらしい「シークレット・インベーション」(私自身も初回だけ見てなんかビミョーってなって止めた)のニック・フューリーとはどう考えても中身タロスとしか思えない今回は“ただの猫好きの眼帯”にまで威厳が損なわれており……でもこっちのほうが結局落ち着くんですよね(汗)





最近のスタジオのお金事情が見え隠れする「荒いVFX」は相変わらずだったり副題「肉球大作戦」でもいいんじゃないかってくらい猫ひろしも嫉妬する今回も「やっぱりネコが好き」に頼りすぎたネタはどうかとか思ったり……しかしその結果「どうか落ち着いて、飲み込まれて下さい」の今年度流行語大賞ノミネート級のパワーワードは生まれるわで、結果個人的には前作より楽しめる要素が多かったと。前作は「MCU初の女性ヒーロー単独作」だの「MCU初のサスペンス」だの色々宣伝されてちょっと期待して行ったら派手なアクションは少なめで黒幕は容易に想像がつくし何より「90年代」というめちゃ古いわけでもなきゃ最近でもないビミョーな年代?(ガッツリこの生まれですが)なんかこう……特徴のない時代、80年代ポップカルチャーは流行って90年代は流行らない理由がなんとなくわかってしまった、そんなような……スミマセン話が逸れましたが、そう前作は「エンド・ゲーム」の「繋ぎ」、「消化試合」感が強かった。逆に今作は見やすくて誰でも楽しめる要素がある、だからこそ尚更入口の段階で「予習必須」なヒトを選ぶものにしているのが、ちょっとチグハグしてるな〜という印象も。



そうなると最後の“蔵出し映像”が頼みの綱くらいになってしまうのですが……いや何最後の最後に「爆弾投下」しちゃってんのさぁー!?






↓↓↓↓ココからネタバレ↓↓↓↓

 
【感想(ネタバレ)】










いやニコラス・ホルトじゃないのかよー!!!






否あれは「ファイナルディシジョン」版のビーストだったようだ。そしてバックから明らかな「あの曲」が流れているのは紛れもなくブライアン・シンガー版……以前本作のワールドプレミアで社長ケヴィン・ファイギが放ったMCUのXMEN合流は「もうすぐ」発言。「ドクター・ストレンジ2」で既にプロフェッサーXやその他驚愕のゲストキャラが一同にお披露目されたが、あれはあくまで“IF”「もしも」展開でいわばMCU内で“正史”扱いされない単なるお遊び要素、つまり今後本作的にMCUのストーリーラインにガッツリ絡む“クロスオーバー”展開としては、この「マーベルズ」が初、いやまさか今作でここまで重要な要素を入れてくるとは、正直油断しておりましたですねぇー。てかお隣にいる母ちゃんと瓜二つのヒーローは一体誰!?



一瞬ハル・ベリーやアレクサンドラ・シップがこれまで演じた別次元の“ストーム”のように見えましたが劇中“バイナリー”と名乗っていましたね。このバイナリーというキャラ、“キャプテン・マーベルの別の姿”として原作コミックにもしっかり登場しているキャラでした!となると?「ドクター・ストレンジ2」に登場した銀色のキャプテン・マーベルが“死なずに何かの縁でXMENに加入した世界線”という見方も出来ますね??



いずれにしてもこれまで同じ役者が別キャラを演じるケースはあれど、MCU史上最も多い「三役」を演じることになるラシャーナ・リンチはこれをどう思っているのでしょうか……



そのマリアが別次元に飛ばされたことで公開前からネット上で囁かれていた“3人のうちどちらかが退場”論はわりと正解だったような……キャロルは自力で、カマラは半ばフューリーごっこでMCUの“若手”たちをスカウトして回り、モニカ救出チーム=原作コミックスに登場する“ヤングアベンジャーズ”結成に繋げるのか??それとは別にMCUのヴィランたちのよる寄せ集めチーム“サンダーボルツ”の計画も現在進行中、またソニピクとの間でも“実写版スパイダーバース”の予定があるとかないとか(最終的に絶対もうやるでしょ?)ちょうど昨日予告動画が公開された「マダム・ウェブ」でも既に“4人のスパイディ”チームものだと判明しましたし……今後はヒーロー(+ヴィラン)チームが続々登場する??そうなるといよいよ追わなければならないストーリーが倍増&より万人向けとは言い難い“オタク向け”のコンテンツとして突っ走る気なのか…!?(まぁそれでもオタクは観るんですけどね)

0件のコメント
bottom of page