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透明人間(2020)


【原題】The Invisible Man

【監督】リー・ワネル

【出演】エリザベス・モス オリヴァー・ジャクソン=コーエン オルディス・ホッジ ほか

【あらすじ】

天才科学者で富豪のエイドリアン(オリヴァー・ジャクソン=コーエン)の恋人セシリア(エリザベス・モス)は、彼に支配される毎日を送っていた。ある日、一緒に暮らす豪邸から逃げ出し、幼なじみのジェームズ(オルディス・ホッジ)の家に身を隠す。やがてエイドリアンの兄で財産を管理するトム(マイケル・ドーマン)から、彼がセシリアの逃亡にショックを受けて自殺したと告げられるが、彼女はそれを信じられなかった。(Yahoo!映画より)





【感想(ネタバレなし)】

『私ならもっと忍びます。』







どーもどーも先日劇場でスクリーン1と7を間違えました「スミマセン何番ですか?」「多分そちらの番号が……」「あ、すいまs」、、、、早くその場から消え去りたかったラーチャえだまめです。そんな「消し去りたい」過去を掘り返されるどころかこの世から「消えた」かに思われたその“元凶”たる人物が再び襲いかかってくる、、、、、しかも“消えた”のではなく「見えなくなった」だけだった……



【透明人間】!!お久しブリーフにド直球過ぎるタイトルが逆に気持ちがいい“透明人間”ですよ?もう皆さん今更説明しなくてもご存知かとは存じますちなみに私がはじめて観たのはV&R PRODUCEの「僕は透明人間! パーt…



いやーもうすぐ猫型ロボットでも作られそうな2020年で未だにこの“古典的モンスター”がスクリーンで“主役”を張れるなんてものすごいこt……え透明人間さんついに「主役交代」!?…そりゃ以前地下研究所で女性科学者相手に変態プレイを強要した半なまベーコンみたいな変態野郎が好き勝手やったせいもあるかもしれませんが本作「透明人間」実は「一度はボツネタになった」作品だったのであります??



時は遡ること3年前「セカイ、サイコーヲ、オットトトトトトゲマース。」のTVCMでお馴染みユニバーサルがマーベルに触発されユニバーサルを代表する古典的モンスターをクロスオーバーさせちゃおうかしらという、なんちゃって「日本よ。これがモンスターだ。」企画「ダークユニバース」を華麗にも始動させるもその記念すべき第1弾「ザ・マミー」がイムホテップの死者の書をカメオ出場させ最速のトップガン野郎に操縦を委ねるも無残にも撃墜、その後の企画が全てオジャンに
























あ貴方はもともと呼ばれてないで大丈夫でs…










本当は次にあのジョニー・デップが「我こそは透明人間」テレレッテ♪テレルッテ♪テレレッテッテッテレ♪と舵を取る予定だったシリーズ第2弾「透明人間」がその後独り歩きして単独作品としてクランクインすることになったのでありますねー。監督はジェームズ・ワンさんとはマブダチなのに裏切られて「ソウ」で片足を鎖に繋がれ「ゾンビスクール」でチキンナゲットでゾンビ化した幼児達を惨殺しまくった俳優としても活躍しながら監督としても「インシディアス序章」そして「アップグレード」が高く評価されたリー・ワネル



いやーSFアクションの「アップグレード」のクライマックスで「だから製作がブラムハウスなのか」と誰もが納得してしまう“最恐のオチ”を我々視聴者に叩きつけてくれたリー・ワネル監督の私すっかり虜になってしまいまして、今回彼の新作がしかも我々がもしかしたら胎児の中から聞かされていたかもしれない古典的作品を?大胆不敵に逢いたぁ〜いとぉ〜思う気持ちわぁ〜♪そっとぉ〜“よみがえらせた”とくれば!?これはもう観に行くしかないだろ、、、、スミマセン前置きが大変長くなってしまいました、では一言で言います























最も“胸糞悪い”透明人間が爆誕してしまった










控えめに言って「サイコー。」透明になっても後ろから「サイコー。」いやー素晴らしい!!リー・ワネル監督。またまた面白い映画を撮ってくれましたよー!!



もうOPからまさか東映の「荒磯に波(透明バージョン)」が拝めるなん夢にも思わなk……序盤から「シィー」ですよ「シィー」。崖の上にそびえ立つ一軒の豪邸。深夜そこに住む一人の女性がベッドからゆっくりと起き上がると隣で眠るカレシに“気づかれない”ようにそぉーっと忍びながら自宅を後にする。彼女の名はセシリア。彼女は光学研究の第一人者であるエイドリアンから究極的な“束縛”を強いられ「囚われの身」となっていた。そして今まさにその魔の手から逃げ出す“絶好の機会”を手に入れたのだった。家を飛び出し森を抜けた先にある道路で駆けつけた妹の車に乗り込もうとした瞬間、セシリアの逃亡に気づいたエイドリアンの襲撃に合う。間一髪で逃げ切ることに成功したセシリアたちだったが「必ずお前を連れ戻す」そう言い残し数カ月後、突然“自殺”を図りこの世から「消え去った」エイドリアン。しかしこれはカレの“身の毛もよだつサプライズ”の始まりでもあった……。



今作最大の特徴、それは「主役を透明人間ではなくその“被害者”」にスポットを当てた所なんでございますねー。私もこの世に存在するすべての透明人間をベースにした映画を観たわけではございませんが、おそらく「透明人間史上、最も胸糞悪い透明人間なんじゃないか」というくらいに、まぁ「透明人間という名のストーカー」にひたすら追いかけ回される恐怖をこれでもかと見せてくれる、そんな映画なのです。



しかもポール・バーホーベン監督のただの変態人間ならまだケツに毛が生えた程度で笑えるのが今作の透明人間はド・ミ・ソがつく程の「ドS野郎」という!?「ソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)」を抱えたなかなかにして「オメェーオラよりヤッベェーヤツだなぁ?」もうドイヒーってもんじゃありません肉体的にも精神的にも「DV」でこれまでセシリアを「征服」していた男が、今度は透明になって襲ってくるんですよ!?



しかもいきなりド派手に襲いかかってくるワケじゃない。はじめは“避難所”の親友宅の部屋で……勝手にドアが開く不可解な物音が聞こえる……?……誰がいる?霊的な何かですか…?その後は寝室で就寝中の姿を………スマホでパシャリンコ



「パラノーマルアクティビティ」的なずっとなにもない空間を映すことが、それがかえって「なにかいる」ような錯覚を覚える……恐怖演出も流石世界が認めるスクリーム生産工場ブラムハウスだけあって緊迫したシーンが沢山盛り込まれております。



徐々に、徐々に、まるでセシリアに“わざと存在を教える”かのように、、、、セシリアの精神を徐々に徐々に“狂わそう”としてくる。そして我々も彼女と同じ精神を体感することになるのです。当然セシリアは勘づきます。しかし「じゃあどうすりゃいいんだってばよ?」が「最大の問題」なんですよね。



「透明人間にストーカーされてます!!」警察に言って信用して貰えますか?「透明人ですねーならレディプレのゴーゴルつけて撃退するかそれかゴーストバスターズに電話だぁーってゴーストじゃねえから吸えねえか!あはははは」…なんてなると思いますか!?家族、友人、そして警察……「“誰”からも信じて貰えない」。セシリアはそんな「誰のチカラも借りれずに」たった一人で透明人間と戦わなければならない苦渋の決断を強制させられてしまうのです!!



セシリアを演じるのは海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル」で再ブレイク中の女優エリザベス・モス。もう彼女の演技が素晴らしいのなんの「見えない恐怖」✕「DVカレシの恐怖」という2つの恐怖に怯えながらもなんとかエイドリアン=透明人間が実在する“確かな証拠”を掴み取ろうと奮闘する女性を見事に演じているんですねー。特に注目なのが彼女の“目ヂカラ”です。彼女の“怯える目”、そしてエイドリアンに追い詰められ精神が狂っていく“正気じゃなくなっていく目”、そして「そこにいたのね…!!」とエイドリアンが“見えた”瞬間の彼女の“戦闘態勢の目”。特に誰もいない空間で演じる“一人芝居”のシーンでは彼女の演技力がX−GUNに輝いておりました。彼女じゃなければ本作の“成功”はなかったと言ってもいい



そのほかにはバカルーバンザイ顔負けの5次元世界にぶっ飛んだ「リンクル・イン・タイム」の子役が出てるな〜とか親友が「ダイハード3」の子役出てるな〜とかあと前作「アップグレード」に出てたサイボーグソルジャーがカメオ出演ばりの短さで登場してましたね〜、くらいでぶっちゃけ透明人間含むギャラの高いキャストが出ているわけでもない、比較的“低”な予算で作られた本作ですが「追われる側から追う側」へ転じる後半の反撃戦、そして予想の斜め上をいく“意外なラスト”。いやー最後まで楽しませてくれる「アップグレード」でも見せたワネル監督の脚本家としての才もこれまた見事と言う他ない



「社会に声を上げても耳を傾けて貰えない女性の悲痛の叫び」を描いている本作は、ある意味フェミニズム映画と捉えることも出来るかもしれません。そんな女性が“声を上げた先に待つ未来”、サラコナーがこの映画を見たらきっとこう言うでしょう「未来は自分で切り開くもの」だと____。2020年、オヌヌメな1本です。








【感想(ネタバレ)】










いやー前澤社長もさぞ驚かれていることでしょう


























まさかZOZOスーツにそんな機能が……










もしかしたら初めてじゃないですか?透明人間自身が薬で透明になるんじゃなくて“透明スーツを着る”という新しい着眼点……そうかそうかあのキラキラした音はスーツの音だったんですねー。しかも全身小型カメラで周囲を投影して姿をくらます……なんか近い将来ホントに作られそうなテクノロジーじゃないですか?「アップグレード」でも見せた“そう遠くないテクノロジー”だからこそ、それが“悪用”された時の怖さというものが、身近な恐怖を演出しているというか“ありそうで怖い話”はワネル監督はお好きなようで…。



エイドリアンが執拗にセシリアを追い詰めるも「殺さない」のはセシリアがエイドリアンの子を孕っていたからで、エイドリアンの子どもを身ごもりショックを受けるセシリアですが、自分を「殺せない」ことを知った事で、かえって彼女の中で恐怖心より「復讐心」が勝り戦いに勝つことが出来た、なんだか「エイリアン3」のリプリーを見ているかのような後半のセシリアのたくましさも良かったですねー。



クライマックスで実は“兄弟揃って透明だった”というこれまたド変態兄弟の真相が明かされるワケでありますが、気になるのは果たしてセシリアを追い詰めたのはエイドリアンか?それとも兄のトムか?という話題になるわけですが……



私的には全ては“エイドリアンが仕組んだ計画”だったと考えております。兄も弟の“洗脳”を受けていた過去がありますし、エイドリアンのはっきりとした“素性”が見える(序盤で彼の顔を見せなかったのがホント上手いなと思いました)所でやけに優男感を醸し出していたのがね、あそこで「あれ、この人意外と優しそうじゃん…?」と思った方もいるのではないでしょうか。



それこそが“ヤツの手口”。DVを働く男の怖さっていうの?セシリアも彼との出会いはあんな感じだったんじゃないですかね。いかにも優しそうな態度で近づいてくるエイドリアン。あのシーンが個人的に「透明以上に恐怖を感じた」シーンでもありましたね。ずっと「俺はやってない」の一点張りだったのも計算高い彼ならば、たとえセシリアと2人だけでも念押しでボロを出さなかったと考えるのが自然。しかし今度はセシリアの方が一枚ウワテだった。透明スーツを来て監視カメラの前で“ワザと自殺に見える殺し方”でエイドリアンを殺害。奇しくもその殺し方は殺された妹と同じ殺害方法だった、というのがまたなんともエイドリアンにとって皮肉な最期と言ったところでしょうか



あのスーツはどこから出てきたと思いますか?実はセシリアが単身赴くシーンでは彼女はスーツの入ったバッグを持っていません。バッグは殺害後に彼女の手元にあります。あれはセシリアがUberでタクシーの運ちゃんを酷使させまくり豪邸に侵入した際にクローゼットに隠していたもの。そう、彼女はその時からずっと“もしも”のことを計算して予防線を張っていたのです。これには流石にエイドリアンのみならず視聴者も驚かされたのでは?セシリアが豪邸を後にすると様子を見守っていた親友が駆けつけます。そしてセシリアが親友に放った一言。「彼は“自殺”した。」当然盗聴していた親友には透明スーツを持って出てきたセシリアが紛れもなくエイドリアンを殺害したことはわかっていたはず。しかしそれを聞いた親友もこう言うのです「そうか。彼は自殺した。」と____。



警官である親友ならあそこでセシリアを逮捕することも出来た。でもしなかった。何故か。それは今まで声を上げても誰からも信用されず一人で苦しみ続けてきたセシリアを想ってのことでしょう。殺人を正当化するわけではありませんがあの最後のセシリアのこれでやっと平穏な日々がおくれる、という「最高に安堵に満ちた顔」で幕が閉じる感じ?良かったねぇ〜!!と誰もが彼女が救われる事を望みそしてそれが無事に達成された喜び、、、、個人的には「ゲットアウト」のような“スカッと”したある意味気持ちのいい終わり方だと思いましたねー(どちらも“見逃す”という点でも似てる)はじめはトムが死んでその後すぐ映画が終わるような“永遠に恐怖が残る”感じもいいな〜、とは思ったのですが、それではセシリアがあまりにも救われませんよね……



セシリアはまさに“女性代表”。彼女はきっと女性なら誰もが共感を呼ぶキャラクターをイメージしていると思います(いや別に男だからというワケでもないが)たとえ社会的意図がないにしろ結果的にMeToo運動に繋がるような映画として見ることも出来ますよね。社会風刺のエッセンスも感じられるそんな映画だと思いました。



ところで現在ユニバーサルが今作の次に打ち出したいライアン・ゴズリング主演のリブート版「狼男」の監督候補にまたしてもリー・ワネル監督の名を挙げている模様……この際ワネル監督に全部任したらどうですか?笑









2 comentarios


智広さん いつもコメントありがとうございます! 「何もないのに怖い」……まさに「ホラーの原点」と言いますか、「いないけど怖い」ではなく「いるけど見えないから怖い」なんですよね…。 今作は去年のベストでしたねー。ワネル監督の次回作も気になります😆 つまり前澤社長は透明人間だった…?

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加藤智広
加藤智広
16 feb 2021

最後はまさに「サプラ~イズ」でしたね。

SF映画でありながら、透明人間の不気味さを見事に描いたホラー映画でもあります。

まさに”何もないのに怖い”ですね!

透明になれるあのスーツカッコいいですよね。ZOZO製品だとは知らなかったです(笑)

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