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クジラに落ちた男(2026)

11 分前
読了時間: 5分

【原題】Whalefall

【監督】ブライアン・ダッフィールド

【出演】オースティン・エイブラムス ジョシュ・ブローリン エリザベス・シューほか

【あらすじ】

17歳の青年ジェイは、単身でのダイビング中に巨大なマッコウクジラに遭遇する。ダイオウイカを捕食しようとするクジラから必死に逃れようとするジェイだったが、イカの足に身体を絡めとられ、そのままクジラに丸呑みされてしまう。絶体絶命の危機に陥ったジェイは、ダイビングの師だった亡き父ミットに授けられた知恵を頼りに、クジラの体内からの脱出に挑む。次々と襲い来る危険を乗り越えていくなかで、ジェイは父との記憶をたどりながら、いつしか自分自身と向き合っていく。(映画.COMより)


【感想(ネタバレなし)】

『クジラとバイオと、時々オトン(前編)』





最近隣の家の子どもに絵本を読み聞かせている母親の演技が迫真すぎて集中できないラーチャえだまめです。“令和のジョン・マクレーン”こと間違いなく「今月イチついてない男」として現在劇場のスクリーンを賑わせている若手俳優の存在をご存知でしょうか??本日ご紹介する映画はコチラ



【クジラに落ちた男】!!??奇しくも同時期にいきなり主演作が2つも公開されてしまうという(人はそれを属に“テイラー・キッシュ状態”と呼ばない)「ウェポンズ」で目がイッちゃったジャンキーを見事演じたオースティン・エイブラムス。ラクーンシティへ「はじめてのおつかい」を任されたかと思えば今度は「クジラに飲み込まれる」ありえ値ぇツキのなさ(実際の撮影順は「クジラ」→「バイオ」だったらしい)っぷりにピノキオの鼻も伸びていないか、いやいや只今絶賛劇場で起きている事実、なんでありますが____



持病の悪化で病室で死ぬなんてオラさ嫌だと自死をもって海のモクズとなることを選んだ「グラン・ブルー」のイルカパイセンみたいに迷惑極まりない父親と和解出来ずに関係性拗れたまんま別れてしまった青年“ジェイ”。死後1年が経った今も無念さに苦しめられるジェイは、海のどこかに眠る“父の亡骸を見つける”ことで解決に向かおうと単身大荒れな海に潜入するのですが……



“たまったま”巨大なマッコウクジラとダイオウイカの怪獣バトルに遭遇して“たまったま”ダイオウイカの足に絡まって“たまったま”ダイオウイカもろともマッコウクジラに食べられてしまうという!?そんな偶然あるかね!?しかしこれまた奇しくもそれまで目を向けてこなかった父の命の次に大事なコトバの数々だったり、あの時本当は父は自分にどう接しようとしていたのか、“向き合って”くれていたんだとか、そんなことを父が眠る広大な海、、、、の中を泳ぐクジラの胃の中で体験していく。“胃の中の蛙、父親を知らず”映画、と言いましょうか、ラストは感動の着地、というありきたりではあるが父と子のファミリードラマはやはり熱くなってしまいました。



「バイオ」ではしきりに「ファ◯ク」連呼していたダメンズを演じていたオースティンでしたが、今作では打って変わって姉妹に囲まれて育った末っ子長男くん並に口数少なくでも真面目でアタマもいい……高橋文哉に似てるね?好青年



___かと思いきやクジラに飲み込まれてからはダイオウイカの口の残骸を“ピーキーちゃん”と名付けウェポンにしたりライト代わりに光る小さなクラゲちゃんをこれまた初恋の子のように愛でたりパニック状態で独り言増えてちょっと汚い言葉も出たり「バイオ」とあんま変わんn……



そもそもダイオウイカがもう「バイオ」のクリーチャーですやん!?大きなクジラの体内とはいえ、すり潰そうと接近する胃という名の「生きた壁」、消化液ダラダラの消化器官内部と、つい先日胃カメラやったばかりのえだには妙なキモさがありましたが、それ以上に閉所恐怖症にはキツ過ぎる「極狭」演出、そして残り少ない酸素ボンベに(やっぱり)家族に黙って海に潜っちゃったから助け舟も期待できない、まさに絶対絶命のパニック映画としてもよく出来ていて、ディズニーの謎SF映画「誰も助けてくれない」を撮ったブライアン・ダッフィールド監督の手際の良さが光っていました。



さらにオースティンの顔のアップ画がより危機迫る臨場感と恐怖を演出していて、“顔演技”も見事にこなすオースティン。「バイオ」に続き主演作でいきなりほぼ“一人芝居”も見事にこなし、彼の演技力の高さがはっきりとわかりました。こりゃ今年のNEWスター確定演出ですわ。



亡き父親に同じく「ウェポンズ」に出演したジョシュ・ブローリン。もう今年の最多スクリーン出演数は彼(ちなみに女優部門は間違いなくアン・ハサウェイ)なんじゃないか?ついこの間やった「ラスト・サバイバー」に続き病魔を患っていても相変わらずガチムチオヤジで強い。で女子家庭で唯一の“一人息子”のジェイには自分のようにたくましい人間になって欲しいと?人一倍厳しく“生きる術”を伝授しようとする。それがちょっと“親のエゴ”で、ジェイはそれが嫌だったわけです。でもあんなに嫌いだった父が生前口酸っぱく言っていたコトバが、実は「全部正しかった」と、そうなんだよ、親父の言ってることって歳を重ねるごとにだんだんわかってくるんだよな〜!タイトルの「WhaleFall」の回収もキレイに決まって、最後はご都合主義っちゃあそうなのだけれど伏線回収の嵐は見ていて気持ちがいい。



ブレンダン・フレイザーの「ザ・ホエール」しかり、何かと大きなクジラ=懐の広い父親とリンクしたがりですが、本作もクジラ=亡き父親と完全にリンクしている仕様で、クジラに飲まれるのも、敵対視するのも恨むのもそして“和解”するのも、全てクジラを“父親”に変換すると意味がわかってくる。クジラの大きさはそのまま「愛の大きさ」に比例すんだね?


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